どこからがロングツーリングなの?

他誌のバイク編集部員と雑談する機会があって、いろんなことを話したのだが、「日帰りとか、1泊とかありますけど、ロングツーリングっていったいどこからがロングツーリングなんですかね?」そんな話になった。先方はツーリングとはあまり縁のない雑誌の編集部員。僕らがタンスタや姉妹誌・Under400などで、ツーリングに行っている姿を見て、「知っているかも?」と聞いてきたようだ。まぁ、僕もツーリング専門誌の編集部員ではないのだが、企画にかこつけていろいろ出かけてはいるから言わんとしていることはわかる。とはいえこれは答えのない質問。こんな場合、まずは先方の意見を聞いてから、内容を咀嚼して答えるに限る。ということでまずは先方の意見を聞いてみた。

「距離かなぁ。100kmとか200kmじゃロングとは言わないような気がするけど、1回のツーリングで1,000km走ったらロングツーリングかなぁ…」。正解のようなそうじゃないような…。でも僕はこれで正解だと思う。もともとツーリングなんてものの定義が曖昧なだけに誰が何を言おうと、その人が“ロング”と感じたらロングツーリングでいいと思うのだ。だから、ある人は1,000km走ってもロングとは思わないかもしれないし、500kmでもロングと思う人もいるだろう。

もちろんその場で僕にとってのロングツーリングも話した。僕の場合、ロングツーリングの定義はわりとはっきりしている。旅先で洗濯をする必要があるかないかということだ。バイクに限らずそうだと思うけど、旅行に出る場合、誰だって着替えを持って行くと思う。1セットかもしれないし、2セットかもしれない。持って行った着替えで済むなら、1泊だろうが3泊だろうが僕の場合それは普通のツーリング。もちろん距離も関係ない。でも旅がさらに長丁場になると、いずれ着替えを使い果たしてしまう日が必ず来る。そうなると、旅先でコインランドリーがある銭湯や宿なんかを探して洗濯開始。そこで着替えのストックを一度リセットして再出発するなんてことを繰り返すようになるワケ。さらにロングになると、天気が悪いことを理由に洗濯日と称してまったく走らない、オフの日を設けたりするようになる(笑)。うまく伝わるかどうかわからないけど、旅が日常化するというか、なんというか…、そんな雰囲気が漂うとロングツーリングと感じるようなのだ。今思うと洗濯日なんてもったいない気もするが、意外とそんな洗濯日にコインランドリーで出会ったライダーや地元の人、歩き回って見た景色の方が思い出深かったりもするんだよね。

今年もロングツーリングの季節がやってきた。みなさんにとってのロングツーリングってどんなものですか?

やたぐわぁ

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やたぐわぁ

本名/谷田貝 洋暁。「なるようになるさ」と万事、右から左へと受け流し、悠々自適、お気楽な人生を願うも、世の中はそう甘くない。実際は来る者は拒めず、去る者は追えずの消極的野心家。何事にも楽しみを見いだせるのがウリ(長所なのか? コレ)だが、そのわりに慌てていることが多い。自分自身が怒ることに一番嫌悪感を感じ、人生の大半を笑って過ごすことに成功している、迷える本誌編集長の44歳。

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