オールマイティな“ザ・ネイキッド”
「400ccネイキッドの代名詞」と言っても過言ではないベストセラーモデルがCB400SFだ。多くの教習所で教習車に採用されていることもあり、このシリーズに一度も乗ったことがないというライダーの方が少ないのではないだろうか。
このエンジンのメカニズムで特筆すべきは、99年から採用された“HYPER VTEC”という機構だ。これはエンジン内のバルブを制御するメカニズムで、低回転では2バルブ、高回転では4バルブを稼動させ状況に応じて低燃費&パワフルな走りを実現している。このメカニズムは採用以来、SPEC II→SPEC III→Revoと進化を続けてきており、こういった“進化の手をゆるめようとしないところ”もCB400SFの魅力と言えるだろう。街中での移動やツーリングはもちろん、サーキットまで幅広く対応するオールマイティさを持ち合わせた“永遠の名車”である。
DETAIL
RIDING POSITION & FOOT HOLD
ステップ位置など、全体的に近い印象だけど、操作に影響はない。長時間座っていると少しきゅう屈に感じるが、座る位置を少し後ろにずらせば対応できる。ハンドル位置が体に近いこともあって、上体はやや起き気味なポジションの方がゆったりと座れる
●ライダー:身長178cm/体重78kg
シートに段が設けられているので、タンデマーと干渉することもない。ポジションを構えるときゅう屈に感じるが、後ろにずらして座っても、後ろからの圧迫を感じたり干渉することはなかった。もちろん運転操作にも影響はない
●タンデマー:身長151cm/体重47kg
ステップの位置が高すぎないので乗降車しやすい。シートの幅も広く、クッション性も高いので座り心地は快適で、ライダーとの間にも余裕があるのできゅう屈さも感じない。グラブバーもあるので走行時も安定感がよさそうだ
COLOR VARIATION
SPECIFICATIONS※[]のデータはABS
- 全長×全幅×全高
- 2,040×725×1,070mm
- 軸間距離
- 1,410mm
- シート高
- 755mm
- 車両重量
- 194[199]kg
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列4気筒・399cm3
- 最高出力
- 39kW(53ps)/10,500rpm
- 最大トルク
- 38N・m(3.9kgf・m)/9,500rpm
- タンク容量
- 18L
- 価格
- 71万9,250~75万750円[79万2,750~82万4,250円]
STAFF’S IMPRESSION
これ1台でなんでもできちゃう
これまでに何度も乗ったことがあるCB400SF。不満らしい不満はなく、むしろ「コレ1台あれば何でもできるよなぁ」と感じることが試乗前からわかっているんだよね。そんなわけで、ある意味インプレッションを書くのが難しいわけだけど、困ったことに何度乗っても印象が変わらないんだよねぇ。バイクとしての基本性能は秀逸だし、ホントにコレ1台あればどこへでも行けるような気がする。とにかく、優等生でありながら欲張りな1台だと思うよ。
いつまでも乗っていたいと思うほど
CBに乗るたびに思うのだが、乗る前にいい意味で構えることがないというのがとてもありがたい。走り出すと、これまたなんだか自分の運転がうまくなったような気にさせてくれるぐらい、スムーズに走ってくれる。街乗りはもちろん、高速道路も不足なく、なんなくこなしてくれるので、いつまでもCBで走っていたいなという気にさせてくれるのだ。だから、多くの人に愛されているというのが乗るとよく理解できる。
ベテランのブレーキングが今すぐ可能に!
教習車として親しまれるCB400SF。毎度ながら乗ってみて思うのはそのトータルバランスのすばらしさ、コーナリング、ブレーキ、加速。およそバイクの動きとして考えられる場面のすべてにおいてすばらしい性能を発揮する。とくに前後連動ブレーキとABSを装備したモデルのブレーキングは秀逸。リヤブレーキを踏めば最適な配分でブレーキが作動し、ベテランでもとっさにはできないようなブレーキをいつでもどこでもかけることができるぞ。