【失敗しないヘルメット選び】自分に最適なサイズを選ぶコツ

ヘルメット選びで大切なのは、しっかり試着をして自分の頭にピッタリ合うサイズを選ぶこと

ヘルメット選びにおいて、もっとも基本的なことはちょうどいいサイズをしっかりと選ぶことだ。緩すぎたら本来の安全性が発揮されないし、きつすぎると長時間かぶっているのがツラくなってしまう。

 

ちょうどいいサイズを見つけるには二輪用品店で試着を行い、店員さんと相談しながら決めるのが一番だ。特に初めてヘルメット買う場合は、正しいサイズ感覚を覚えるためにもプロのアドバイスをうけるのがおすすめ。安いからといって試着をせずにネット通販で買うのは失敗の元だ。二輪用品店でも10〜20%ほどのセールを実施することが多いので、ネット通販よりもそういった機会をねらったほうが間違いがないぞ。

まずは自分の頭のサイズを知ろう

ヘルメットのサイズには、MやLといった表記と共に「59-60㎝」などの長さが併記されている。これは、眉の上にあるおでこの一番高い位置で測った“鉢まわり”という長さのこと。自分が何サイズに該当するかは、これで把握できる。しかし、これはあくまで目安。頭の形状は人それぞれだし、同じメーカーでもモデルによって内装の形状が変わるので、やはり試着が基本だ。

鉢まわりのサイズを測っている様子
鉢まわりのサイズは自分ひとりでは測りづらいので、誰か周りの人に頼もう

ヘルメットが合っているかは頬のパッドを外すとよくわかる

新品のヘルメットをかぶると頬のパッド(チークパッド)に圧迫されてキツイと感じがちだが、サイズは鉢まわりで合わせるのが基本。チークパッドは多少時間が経つとなじんでくるので「少しキツイかな?」というくらいがちょうどいいといわれている。サイズが合っているか確かめるために、チークパッドを外して試着してみるのも有効な手だ。

ヘルメットのチークパッドを外した状態
最近のヘルメットはチークパッドを外せるものが多い。お店で外してみたい場合は、店員さんに一言声をかけよう

自分仕様の内装にしてくれるフィッティングサービスを利用しよう

二輪用品店のなかにはカブトやSHOEI、アライなどのメーカーから認定を受け、ヘルメット購入時にフィッティングサービスを提供しているショップがあるのをご存知だろうか? フィッティングサービスでは、内装の厚みをミリ単位で調整し、一人ひとりの頭の形状に合わせたぴったりのサイズを提案してくれるので、ぜひ利用してみよう。

SHOEIのパーソナルフィッティングシステム図解

ヘルメットの内装の厚みを変えた比較画像

内装の厚みを変えることでサイズ感を調整してくれる。写真のように厚みが数㎜違うだけでも効果は大きい。人の頭のカタチは千差万別なので、部分的に緩いところには薄いウレタンを入れるなどして対応してくれる

頭でっかちなシルエットが気になる場合は、帽体サイズの違いを意識しよう

“マッチ棒”のように頭でっかちになってしまった例
ヘルメットを被った頭が大きく目立ち、“マッチ棒”のように見えてしまう典型的な例

ヘルメットは帽体が大きすぎると被った時のシルエットが頭でっかちになってしまう。その姿は“マッチ棒”と呼ばれ、ライダーにとっては不名誉な称号だ。それを回避するために、なるべく帽体は小さいヘルメットを選びたいところ。

 

帽体の小さなヘルメットを2個収めたトップケース
帽体が小さいとトップケースやシート下などに収納するときも有利に働く可能性がある。あとちょっとで収まるのに…ということはよくある話だ

そこで注目したいのが、人によってはフィッティングサービスなどで内装を調整することで、帽体サイズをワンサイズ下げられる可能性があることだ。

 

例えばXS・S・M・L・XL・XXLなど6つのサイズ展開されているヘルメットがあったとしよう。この場合、6つの違うサイズの帽体があるわけではなく、小・中・大など3つ程度の帽体を作り(メーカーやモデルによって異なる)、その内装の厚みを変えてサイズのバリエーションを増やしていることがほとんど。もし自分が、小と中、もしくは中と大の境目に近い鉢まわりの場合は、内装の調整によってサイズダウンが可能かもしれない。

実際に3社のヘルメットでサイズの違いを比較

KABUTO EXCEEDの場合

シャープなデザインや使い勝手のいい機能、リーズナブルな価格帯で支持を集める日本ブランドのカブト。製品によって帽体サイズの数が異なるが、今回は2種類の帽体サイズが設定されたスポーツジェット“エクシード”で試した。

KABUTO EXCEEDの帽体サイズは2種類
KABUTO EXCEEDのMとLのサイズ比較
他メーカーと比べてこのモデルは帽体が2サイズのせいか、わかりやすくその差を感じ取れた。この帽体サイズの違いで焦点となるのはLサイズ。Mを選べばシュっとしていることがよく見て取れ、横顔でもMは頬が見えてすっきりする
SHOEI NEOTECⅡの場合

日本のヘルメットブランドとして世界的な知名度を誇るSHOEIは、スタイリッシュなヘルメットに機能性・安全性を詰め込んで国内生産している。“ネオテックⅡ”は帽体が大きくなりがちなシステムヘルメットだけに、できるだけ小さい帽体にしたいところ。

SHOEI NEOTECⅡの帽体サイズは3種類
SHOEI NEOTECⅡのMとLのサイズ比較
ネオテックⅡの帽体はご覧のとおり3種類。L・XLの人がそれぞれ小さい帽体にできる可能性がある。色違いでわかりにくいのは恐縮だが、たしかにMサイズの方がサイドのボリュームが絞られていた。内装の厚みで調整できるならチャレンジしたい
ARAI VECTOR-Xの場合

日本のヘルメットブランドの始祖であり、世界一信頼される安全性の高いヘルメットづくりを目指して開発を行なっている。そんなメイドインジャパンのアライからはフルフェイスのベクターXで試してみた。アライでは基本的に帽体サイズは3つだ。

ARAI VECTOR-Xの帽体サイズは3種類

ARAI VECTOR-XのMとLのサイズ比較
他とは違ってM・Lが同じ帽体となり、MやXLの人は一つ帽体のサイズを小さくできるチャンス。見た目を気にして実際にそうする人もいるようだ。こちらも写真ではわかりにくいが、Lの方が少しシュっとした顔立ちになり、横顔でもXLで空いていた鼻まわりが詰まっている。わずかな差であることは違いないが気にしたいところだ

帽体サイズを小さくすることで、よりスリムでスタイリッシュなシルエットに近づけられることがわかったと思う。

 

ただし、無理なサイズダウンは安全性や快適性の低下を招いてしまうので注意が必要だ。あくまで自分の頭に合うサイズであることを大前提にしたうえで、可能であれば試してみよう。

この記事が気に入ったら
いいね!とフォローしよう

タンデムスタイルの最新の情報をお届けします