車輪の脱着にチューブの取り出しと難易度高し!
そんなときはコレだ!
応急処置なら”瞬間パンク修理材”
基本的に自転車のパンク修理と一緒とはいえ、チューブを取り出して交換するのはものすごく手間のかかる作業で、無理という人も多いだろう。そんな人はあくまで応急処置としての技だが、空気に代わって粘着性のあるムースを注入することで物理的に空気を 抜けにくくするという瞬間パンク修理剤を携行したい。恒久的に使えるものではないが、最寄りのバイクショップまで運ぶくらいはなんとかなる。

スペアチューブへの交換もチャレンジしてみたい
そんな人には、ちょっと作業が面倒で難易度が高いのだが、チューブ式タイヤのパンクへの対応法を伝授しよう。がんばって挑戦してみてほしい。
そんなときはコレだ!
(写真右から)スペアチューブ、フットポンプ、パッチ一式、タイヤレバー×2本。アクスル対応の19mmメガネ付きタイヤレバー、17mmオープンレンチ+ロープなど(車体を浮かすため)

作業手順
作業工程は、「1. ホイールを車体から外す」→「2. チューブを交換する」→ 「3. ホイールを戻す」 の三行程。1はホイールの浮かし方がポイントになる。浮かしてしまってからでは力を入れにくいからだ。
今回はフロントタイヤがパンク。まずはサイドスタンドで立てた状態でアクスルシャフトを緩めておく
完全に緩め切らないのがポイントだ
現場の周囲で木でも杭でもなんでも構わないので、ロープなどでサイドスタンドを軸に車体を浮かせられるポイントを探す。今回はゴムのショックコードを使って浮かせた
ホイール脱着作業のためにほんの少しタイヤが浮けばいいのだ
タイヤが浮いたら、アクスルシャフトを留めるナットを外し、アクスルシャフトを引き抜く
このとき、片方の足をタイヤの下にかませてつま先で荷重をコントロールしてやると作業がしやすい
スプロケットやチェーンのあるリヤ側と違い、フロント側はアクスルシャフトを抜くだけで簡単にホイールが外れる
ムシ回しでバルブの中のムシを取り外す。空気がまだ内部に残っている場合は、圧力によるムシの紛失に注意する
ブレーキディスク側を上側にして平坦な場所で作業する。バルブの位置から遠い部分のタイヤとホイールの間にタイヤレバーを差し込む
タイヤとホイールの間に差し込んだタイヤレバーを内側に寝かせるようにして、タイヤをホイールの外側へ外していく
このときタイヤレバーでチューブを噛み込まないように注意
タイヤレバーを複数本使い、少しずつタイヤを外していく。タイヤレバーをブレーキディスクで保持するようにすると作業がラク
ただしブレーキディスクを傷つけないように注意
タイヤを外していくと、ある瞬間から簡単にタイヤがホイールから外れるようになる。ここまできたらタイヤレバーは使わず手でタイヤを外してしまおう
バルブをホイール内部に押し込み、チューブを取り出す
下がパンクした古いチューブで、上が新品のチューブ。タイヤサイズによってチューブが異なるので、適合するサイズのスペアチューブをあらかじめ買っておこう
タイヤの内側に異物が飛び出てないかを目視と手で触りながら確認する。異物があればもちろん摘出。いくら新品のチューブに換えたところで、異物があればまたパンクしてしまうのだ
スペアのチューブはエアバルブ部分からホイールにセットする。小径ホイールの場合はバルブをホイールから引き出すのが難しい場合も多い。とくに手の大きなライダーはワイヤー付きムシ回しを使うと簡単にバルブを引き出せるぞ
チューブをタイヤの内部に収めていく。変にたるませたり、よじれないよう均等にいれるのがコツ
ココがポイント!
ムシをセットして空気を入れて、チューブを一度膨らませることでタイヤに馴染ませる。
この作業をしておくと、この後の作業でタイヤレバーによる噛み込みをわりと防ぐことができる
再びムシを外して空気を抜いたら、エアバルブ付近からタイヤをリムに戻していく。最初はタイヤレバーを使わなくても作業できるはずだ
ある程度タイヤがリムにおさまったら、足でタイヤが外れないように踏みつけながら、タイヤレバーで少しづつタイヤをリムに戻していく。タイヤレバーでチューブを傷つけないように注意
だんだんタイヤを戻すのがキツくなってくるが、最後は力技(笑)。ただし、無理して内部のチューブを傷つけないように! ここでパンクさせると元の黙阿弥なのだ
ココがポイント!
タイヤがリムにハマったら、タイヤとリムの間にチューブを噛み込んでないかを全周にわたってチェック。
バルブにムシを戻し、エアポンプをセット。パンクを誘発してないかを確認しながら空気を入れていく
噛み込みなどでパンクをしていないようなら、ビードを上げるため、4気圧ぐらいまで一気に圧力をあげる。ビードがキチンと上がったどうかは、ホイールのキワにラインが出ているかどうかで確認できる
ここまできたら作業も終盤。あとはホイールを車体に戻すだけ。アクスルシャフトの汚れやグリスの有無を確認して、必要なら清掃とグリスアップを行なう
このホイールのセットに関してはブレーキパッドの間にディスクを差し込むことを第一に考えながら、ホイールのカラーが落ちないようにとフロントフォークの間にはめ込む
つま先をタイヤの下に差し込み、微妙な高さをコントロールすると、アクスルシャフトを通す穴を合わせやすくなる。アクスルのナットは最初は手で締めを行なう
ある程度手締めをしたら、最後はレンチで増し締めする。ホイールがスムーズに回転するかどうかもしっかり確認すること
ブレーキレバーを何度か握ってパッドが開いたことによる遊びをとり、空気圧も規定値に調整し直したら作業は終了だ
チューブのリペア
当日、現場ではスペアチューブ交換でその場をしのぐとして、落ち着いた環境が整ったら穴の空いたチューブの補修を行なってスペア化。次のパンクに備えて持っておこう
作業手順
地道に目視や手の感覚で穴を探してもいいが、簡単なのは空気を入れて水に沈めてみること。一発で穴の場所がわかる。穴は1箇所だけとは限らないので注意!
穴を中心にパッチの大きさにあわせてヤスリをかけて凹凸を増やし、接着剤のなじみをよくする。穴を見失わないようにしよう
穴接着剤を多めに塗布し、液状からゲル化するまで少し待つ。だいたい3分ぐらいが普通だが、冬場はもう少し時間がかかる
触っても指先に接着剤がつかないぐらいがパッチ圧着のころ合い。パッチのフィルムをはがし作業に備えよう
パッチを当てたら、ドライバーの柄の尻などで、パッチをこするようにして圧着させる。やりすぎて困ることはないので念入りに
まんべんなく圧着させたらフィルムをはがして完成。タイヤに収める前に再度空気を入れ、穴が空いていないかの確認も行なうこと