これがL字型の六角レンチ。六角棒レンチともいう。各部は基本“長い方・短い方” で呼ばれるが、長手(ながて)、短手(みじかて)と呼ばれることも
シンプルながらも使用頻度が高い重要な工具だ
鉄の棒をL字に折り曲げただけに見える、かなりシンプルな工具。知らない人が見たら工具とも思われない かもしれない。しかし簡素な見た目とは裏腹に、こいつを使う場面はかなり多い。
使用するのは六角穴付きボルトを緩めたり締め付けたりするとき。この六角穴付きボルトだが、プラス・マイナスネジよりも工具をセットしたときの接触面が大きく、ナメにくい構造となっている。それゆえにさまざまな箇所に採用されており、メンテナンスにおいてこの六角レンチは大活躍するのだ。
注意すべきはL字型はそれほど大きな力がかけられないところ。外装系などでは問題ないが、フレームまわりなどは後述するビットツールを使うといいだろう。ちなみにL字型のもの以外にも、ドライバーの先端を六角にした六角ドライバーや早回しがしやすいT型六角レンチがある。
六角レンチを使うのはこんなところ!
エンジンまわりからカウルの装着にも使われている、六角形の穴が空いたボルトを外すのに使う。似たような穴の形にトルクスという六角星型のものがあるので注意。とはいえこちらはあまり見かけない(まったくない訳ではない)
奥まったところのボルトや、早回しにはボールポイントが便利!
一方の端がボールポイントという形状をとった六角レンチが存在する。これはボルトに対して角度を付けて工具を当てても回せるもので、 障害物があって真っ直ぐアクセスできないときに役に立つ。ただしボルトとの接触面は大きくないので、早回し用として使おう
六角レンチの使い方
早回しで使う場合
ボルトが締まり切る直前までは早回しといい、締め付けに大きな力は必要ないので回す速度を重視する。L字の長い方の端をボルトに差し込み、短い方をクルクルと回す
本締めで使う場合
ボルトからグッと抵抗を感じるようになったら本締め。ボルトが外れないよう大きな力をかけて締めたいので、L字の長い方を持つようにし、短い方の端をセットする
Q.ネジってどっちに回すの?
意外と悩んでしまうのがネジ・ボルトの回す方向。単純そうな問題だけど、本締めしてあるネジを外すときにさらに締める方向へ回してしまうと、ネジを破してしまう恐れがある。ネジは頭から見て右回しで締まり、左回しで緩む。ペットボトルのキャップと同じだと覚えよう。サムズアップしたときの親指がネジの進む方向、その他の指が回す方向として覚える方法も。
