ウエアに加えてマシンに防寒対策をほどこせば、さらなる温かさが手に入る。しかもバイクはエンジンで発電する乗り物。この電気を使う防寒手段もいろいろあるのだ!
谷田貝洋暁:文
スクリーン(ロング/延長)
ネイキッドタイプでなければ付けるだけで、すでに装着している車両でも、さらに長いタイプのスクリーンに交換すると風のあたりが格段に変わる。カスタムパーツとして車種専用のロングスクリーンがなくても、バイザーやスクリーンに挟んで使用するクリップオンタイプのスクリーン(スポイラー)もある。
電熱シートヒーター
最近まで、この手の電熱シートヒーターはメーカー純正オプションぐらいしかなかったが、バイクのシートにかぶせて使う、後付け可能なシートヒーターがコミネから登場したのである。電源はACC電源で12V。熱源は電熱線を使用している。オシリを温めると体の芯が冷えることがなくなるぞ!
スポイラー
こちらも車種専用品がメインになってしまうが、車体に直接取り付けるタイプのスポイラーもある。ゴールドウイングは適度にライダーへと走行風があたるような設計のため、しっかりと風を避けたいライダーのために純正オプションとしてスポイラーが用意されている。
レッグカバー
この手のレッグカバーというと、足をそろえて乗るスクーターのイメージがあるが、一部モデルはまたがる姿勢のバイクにも対応している。しかも、バイク用はエンジンの熱がコタツのようにこもるのでかなり温かくなるし、少々の雨ならしのげるようだ。ただし、エプロンタイプは乗り降りがちょっと面倒なのと、温かさのあまり信号待ち時に足を出したくなくなるそうだ。
ナックルガード
速度域の低い都市部ではそれほど効果を感じられないかもしれないが、高速道路や郊外などをそれなりの速度で走り続ける場合、指先に風があたらないだけでも、かなり指先の冷たさが軽減される。しかも、気温が低いほど効果が体感でき、とくに身を切るような冷たい風の中を走る時にはこれだけでかなりラク。
グリップヒーター
使い始めると「なんで最初からメーカーは純正装着にしないんだろう?」と文句を言いたくなるくらい病みつきになるのが、グリップヒーターだ。グリップごと交換するタイプと巻き付けタイプがあり、操作性がいいのはグリップごと交換するタイプ。ただし巻き付けタイプは施工が簡単で、必要のない夏場には簡単に取り外すことができる。
レバーカバー
金属を触るとひんやりするよね。寒い日に金属など触りたくないけど、残念ながらバイクのブレーキやクラッチレバー類は金属。しかもアルミで金属の中では熱伝導率が高く、体温を奪われやすかったりする。とくに操作性を重視して冬でも薄手のグローブを使うライダーにはこいつがオススメ。金属に触れないようにするだけでかなり指先の痛みは軽減できるぞ!
ハンドルカバー
そのおおげさというか、ビジネスライクな見た目を嫌うライダーも多いが、これほど手軽で効果の高い防寒アイテムもめずらしい。こいつにグリップヒーターを組み合わせれば、厳冬期の北海道だって薄手の手袋一枚で走り続けられる(筆者実証ずみ)。けっこう、走行風で押されることもあるので、左右のレバーとの相性が重要になってくる。
電熱製品装着時の注意点!
グリップヒーターをはじめとする電熱系アイテムを付けようと思ったとき、もしメーカーから車種専用品が出ているなら、少々高くても迷わず純正オプション品の装着を勧めたい。というのもメーカーであれば、純正オプションとして最低限、消費電力と充電電力のバランスを考慮しているからだ。装着したものの、消費電力のほうが大きすぎて、バッテリーがしっかり充電されない…、なんて不具合が起きにくいってワケ。当然だが、フォグライトや電熱ウエアなど、電力消費パーツが増えれば走行時のバッテリーの充電速度は遅くなるのだ。
※本記事はタンデムスタイルNo.224(2020年11月24日発売号)に掲載された内容を一部抜粋・再編したものです。