教習所ではバイクの二人乗り(タンデム)のやり方は教えてくれない。そのうえ二人乗りが解禁されるのも免許取得後1年が経過してからなので、自己流で走るライダーも少なくない。しかし“急”がつく操作をしないのはもちろん、さらにストレスなく走るにはテクニックや知識が必要になってくる。ここではタンデマーの乗車と降車のやり方を解説していくので、ぜひ参考にしてほしい。
写真:関野 温
バイクの乗り降りはライダーが主体になって行なおう
バイクはタイヤが2つしかなく停車時は不安定なため、乗り降りするのも車体を安定させることが不可欠。スムーズに行なうにはライダーはもちろん、タンデマーにもある程度の慣れが必要となる。また、普段のバイクの重さに加え、一人分の体重がそのまま加わるので取り扱いにも注意しよう。
プロインストラクターからのアドバイス
「タンデムランを楽しんでもらうためにはライダーから声をかけてあげるのがいいでしょう。二人乗りの経験がないタンデマーならエスコートしてあげた方が安心感も高まりますしね。また、ライダー主導だと自分のペースがたもてるので運転にも集中できるという利点もあります」
1. 用意が整ったらライダーが声をかける
2. 周囲を確認する
3. 声とボディタッチで二重のサイン
4. またがりやすい方法で乗車
シート高やライダーの身長によって状況は変わってくるので、そのまままたがるように乗り込んだりステップに足をかけてから乗り込んだりと、タンデマーが乗りやすい方を選ぶ。肩に置いた手はそのままバランスをたもつためつかんだままにすることで、万一どちらかがバランスをくずしたときにも互いの異変に気付きやすくなる。
5. 乗車完了!
6. 降車の方法
降車の場合も、基本的には乗車の手順とほぼ同じだ。ステップ1から順番に行ない、4を降車に置き換えればOK。4に関しては車体左側に降りてもらおう。乗り降りいずれにしても、アクションを起こす際には周囲に注意すること、ライダーと意思疎通を図ること。この2つはお互いの安全を確保するため絶対に守ろう。
乗車・降車をしやすくするテクニック
ギヤを入れておく
ギヤを1速に入れておくとタイヤが前後に動くのを防いでくれるので、安定感が増す。乗車が完了すればサイドスタンドを払い、セルボタンでエンジンをかけるだけ。すでにギヤが入っているので、ギヤを入れるために足の踏み替えをしなくてもいいので安心かつ便利。タンデムする際はぜひやっておきたいテクニックだ。