はじめてのバイク二人乗り(タンデム) 走行編

タンデム走行でポイントになるのはタンデマーの座る位置と姿勢。よく「荷物のように座る」と表現され、ライダーの操作のジャマにならないようにすることが重要だ。では、その“荷物”になるためにタンデマーはどのようにしたらいいのかを見ていこう。

写真:関野 温

プロインストラクターのアドバイス
プロインストラクターからのアドバイス

「タンデマーからの立場からすると、とくに二人乗り経験が少ないライダーの場合、不安感を少しでも減らしてソロと同じ感覚で操作できるように、ポジションなど干渉しないことが理想的です。そのためにはタンデマーが気をつかってあげることも大切。座る位置を確保しつつ安全性をたもつためには、ニーグリップを使いましょう」

モデルごとの乗車姿勢をタンデマー視点でチェック

ネイキッド

ネイキッドのタンデム時のライディングポジション

ステップの位置は足がかけやすく、またがりやすかった。スタンダードモデルともいわれるネイキッドは、ライダーと圧迫感がなくちょうどいい距離感で比較的ゆったり座れる。ヒザまわりも余裕があって、疲労も少なめ。タンデマーとして安心感も高い。

スーパースポーツ

スーパースポーツのタンデム時のライディングポジション

ステップや後部シートの位置が高く、またがるときもフラつきそうで(実際はそんなことはなかったが)少し怖さがあった。シートの座面が小さく、つかまる部分も少ない。さらにライダーの背中が遠くて視界が高いので、慣れないうちは不安に感じることが多い。

オフロード

オフロードのタンデム時のライディングポジション

ライダーが座るとシートが沈むのでステップに足をかけなくてもまたがることができた。座面がフラットで目線はライダーとほぼ同じ。座ったときの安定感は高いけど、密着度も3タイプの中で一番高い。後ろに座るとさらにシートが下がるので、ヒザまわりの窮屈さも気になった。

タンデムの要はニーグリップ!

 ニーグリップがアマいと…

発進で

発進時に後方に流されるタンデマー
アクセルを開けるとバイクは前に進むが、乗っている人には後ろに引っ張られるような力が働く。ニーグリップでライダー=バイクと一体になっていないと体が置いてかれてしまう
ブレーキで

ブレーキ時に前につんのめるタンデマー
ブレーキ時にもニーグリップは重要。とくに速度が出ている状態でブレーキをかけると体が前に投げ出されてしまう。ライダーにぶつかり安全性にも支障が出るだろう

大丈夫と思っていても…

グラブバーのみ

タンデマーがグラブバーだけを掴んでいる状態
直接つかめるグラブバーは楽チン。だが、頼りすぎるのはよくない。バイクの挙動を腕だけで受け止めるため、思っている以上に力を使うことに。長時間にぎりっぱなしだと疲れてしまう
彼女乗り

タンデマーがライダーの腰に手を回している通称“彼女乗り”
カップルでよく見かけるこの座り方。全身でつかまっているから安定度が高いと思うが、ニーグリップはアマく体もずれやすい。その挙動がそのままライダーに伝わるので疲労も早いのだ

ニーグリップの効果をコーナリングでチェック

ネイキッド

ネイキッドのタンデム時のコーナリング

体は車体と一体になってホールド感は抜群! 進行方向を見ていればバイクの次の動きが予測できるし、身体からもライダーの動きが伝わってきて安心して乗っていられた。

スーパースポーツ

スーパースポーツのタンデム時のコーナリング

スーパースポーツといえどもニーグリップでしっかり下半身をホールドすれば体はしっかりついていく。スピードがあっても車体をバンクさせたり加速に対しても不安に感じることはなかった。

オフロード

オフロードのタンデム時のコーナリング

ライダーとの距離が近いため、前方の確認はしにくく感じたのが気になった。ただ車体が小柄なので、むしろキビキビした動きにも対応しやすい。ヒザまわりはやっぱり窮屈な感じがした。

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