“なぜやる必要があるのか?”がわかる。消耗品チェックポイント
やらなきゃならない“バイクの点検&メンテナンス”。安全快適にライディングを楽しむためにも、また愛車の寿命をのばすためにも重要な作業だ。でも“やれ!”って言われたって、“何でやらなければダメなの?”、“どこをどうしたらいいのかわからない…‼というバイクビギナーも多いだろう。
そこで、ここでは消耗品が消耗するメカニズムと、そのチェックポイントを紹介! しっかり理解して今後のバイクライフに役立ててほしい。
※この記事は『タンデムスタイル No.261』の“整えて備える”特集をWEB用に再編集したものです。
スパークプラグ
エンジンが本来の性能を発揮するためには、いい混合気・いい圧縮・いい点火がキモになる。吸気システムが適正な状態が“いい混合気”を出し、エンジンの適正な状態が“いい圧縮”を生む。そして“いい点火”に関わるのがスパークプラグだ。エンジン稼働中、何度も火花を発生させる過酷な状況下で機能するパーツ。
走行するうちに徐々に劣化が進み、いい点火を生み出せなくなってしまう。使われているスパークプラグや乗り方によっても、劣化具合や交換サイクルが異なる。定期的にチェックし、状況を見て交換するのが理想だ。
ここをチェック!
右が古いプラグで、左が新品のプラグ
プラグは中心電極の摩耗状態、外側電極とのギャップだけでなく、焼け具合もチェック。適正なのはキツネ色で、白や黒だと異常が起こっている状態
エンジンオイル
エンジンは多くの金属パーツで構成され、それらが摺動しているので、そのままの状態だと抵抗が多く、焼き付いてしまう。そうならないようにエンジンオイルが用いられる。100度前後の熱に常にさらされている過酷な状況下でエンジンオイルは劣化し、さらには燃えて減っていく(4ストロークでも少なからず燃えるのだ)。
そのため基本的には3,000㎞、もしくは半年ごとにエンジンオイルを交換しよう。劣化したエンジンオイルでは本来の役割をはたせず、性能低下を招くだけでなく、最悪エンジンが破損することもある。
ここをチェック!
暖気を行ない、数分おいてからチェックしよう。車体を垂直にして、確認窓のある車両はエンジンオイルが適量か“窓”をのぞいてチェックする。二本の線の間(規定値)になっていればOK。また、確認窓のない車両は、オイルレベルゲージ(通常オイル給油口のキャップの裏に付いている)に付着するオイル量や色を確認。交換したては汚れや濁りのない、澄んだ色である(カラーはエンジンオイルの製品による)。
タイヤ
バイクと路面の唯一の接点である、タイヤ。加速時には路面にバイクのパワーを伝え、減速時にはブレーキングに応じて路面をつかみ、またコーナリング時には回転しながらも横方向にすべり出さないように踏ん張っている。
つまり、どんなに高性能なバイクでも、タイヤの状態が悪いと100%の性能を発揮できないばかりか、転倒など、危険な状況におちいってしまう。だからこそ、タイヤにはつねに気を配りたい。
タイヤは基本的にゴムで構成されるため、走れば走るほど摩耗が進む。摩耗具合に合わせて早めに交換するのが理想的だ。ケチって“まだギリギリ使えるハズ…”と節約した気分で乗っていて、結果的に事故につながってしまっては元も子もなくなる。
また、タイヤの空気圧、異物が刺さっていないか、キズや損傷などがないかも日常的にチェックすること。溝が残っていても製造年が古いタイヤも使うのは避けたい(目安は3~5年)。
ここをチェック!
タイヤの摩耗具合をチェックするときは、まずタイヤのサイド部分にある△を探そう(写真1)。その△の先を見ると、タイヤの溝の中央にポコッと盛り上がっている部分がある(写真2、スリップサイン)。ここが溝の中にある状態(走行OK)→溝が浅くなり、スリップサインが完全に露出してしまっている状態になったら交換の時期。法律上、溝は0.8mm以上ないとダメ。1mm切ったら交換するようにしよう。ちなみにスリップサインが出たら車検にはとおらないのであしからず。
※スリップサインの位置を示す△マークの代わりに、“TWI”という文字が刻印されているケースもある。タイヤを購入/交換したときにチェックしておこう。
タイヤの空気圧チェックも日常的に行ないたい。異常もなく、規定空気圧を入れていても、だんだん空気は漏れてしまうもの。空気圧が低くなってきたな(なんだか乗り心地が変だな)と思ったら、ガソリンスタンドやバイクショップでチェックしてみよう。もちろん、タイヤゲージ(エアゲージ)があれば自宅でもできるぞ。
しばらく乗っていなかった愛車で走り出す前はもちろん、日々乗っているバイクでも、こまめにチェックして異常にいち早く気付けるようにしておきたい。パンクしても、タイヤの状態によっては1日かけてジワ~ッと空気が抜けていくこともある。出先で“しまった!”とならないように、出発前のチェック/走り終わりのチェックはぜひ心がけて。
もっと記事の内容を詳しく知りたいなら!
『タンデムスタイル No.261』の“整えて備える”特集をチェック!