【タンスタ本誌261号】ソケットツールは初心者の憧れ⁉ 使いこなせばカッコよさUP! ~整えて備える~

 

アメリカの超有名ブランド・スナップオンが発明したソケットツール。文字どおりハンドル先端のソケットを取り替える(スナップオンする)ことで、何種類ものボルト、ナットを回すことができるようになる。持っていれば便利であるのは当然だが、使いこなせばもっと整備が楽しくなるし、何よりカッコいい!

そんなソケットツールの世界を垣間見てみよう。

※この記事は『タンデムスタイル No.261』の“整えて備える”特集をWEB用に再編集したものです。

ソケットツール、とは?

前述のとおり先端を替えて多用途に使える工具のこと。さまざまなサイズのボルト&ナットに対応するサイズと深さ、また六角ソケットやヘックスローブなどにも対応する。柄=ハンドルもいろいろなタイプがある。

 

写真の右からギヤ内蔵のラチェットハンドル、ぐるぐる回すスピーダーハンドル、力を入れやすいTレンチ。このほかにもスピンナハンドル、オフセットハンドルなどもある

 

少ないツールで多くの作業をすることを目的に生まれたソケットツール。ボルトに合わせて、ソケットのみ交換すれば作業が行なえるのはメリット。ただソケット自体のサイズが小さいため紛失しやすいので注意が必要だ。上の写真はスタンダードなタイプ。

 

また、ボルト・ナットに覆いかぶさる形状なので、ハンドルマウントのミラーのような、オープンレンチしか作業できない場所には使えない。また、ソケットツールにはサンデーメカニックあこがれのラチェットもあり、早回しといった作業のスピードアップの魅力もある。最初は持っていなくてもいいが、いずれ欲しくなるツールだ。

 

ラチェット機構によって回転方向が制限され、逆回転させると空転する。そのためボルトから工具をかけ直すことなく作業ができるのが特徴となっている。さまざまなタイプがリリースされている

 

ディープソケット

ソケットがあれば、ある程度のボルトをカバーできるが、万能ではない。ときには“あともうちょっと長ければボルトに届くのに…”ということもあるのだ。そんなときは通常のソケットよりも長い、“ディープソケット”を使おう。また、中間のセミディープソケットを設定するメーカーもある。六角穴付きボルト用も、長さの異なるタイプが設定されている。

 

プラグソケット

プラグソケットをのぞいてみると、中がプラグに合った形状になっていることがわかるだろう

 

スパークプラグは一般的なボルトと違って特殊な形状をしているため、ディープソケットでもボルト部分には届かない。そのためスパークプラグ交換の際はプラグ専用のソケットを用意すること。中にはソケット側に保持するマグネットを組み込むことで、作業効率向上をねらったタイプも存在する。

スパークプラグ交換について知りたいなら

ビット

 

 

工具の点数が増えれば作業内容は増える半面、保管するスペースが必要になるが、ビットであればあまり場所を取らずにすむ。さまざまなビットを専用のソケットに差し、ハンドルなどに組合わせて使用するのだ。たとえばプラスネジは採用されている場面は少ないので、ドライバーではなくビットで対応。そうすればドライバーを買わずにすみ、工具の点数を抑えられる。

 

補助的アイテム

エクステンションバー
ユニバーサルジョイント

 

ハンドルとソケットを組合わせた状態で届かないボルトにアクセスする場合、ハンドルとソケットの間に延長棒=エクステンションバーを組み込んで対処することもあるのだ。メーカーによっては、さまざまな長さをリリースしている。また、長さの延長だけでなく、角度を変えられるユニバーサルジョイントもあると便利だ。

 

工具小話・差し込み角とは?

 

ソケットとハンドルには差し込み角が決められており、各工具メーカーはこの差し込み角に合わせて工具を開発している。バイクに使うのは1/4・3/8・1/2インチ(sq)だが、差し込み角が大きくなるほど高いトルクがかけられると覚えておこう。極端な例で、ソケットの設定はないが、1/4sqのラチェットハンドルで30㎜のボルトはハンドルが短いこともあり、回せない。逆に1/2sqで6㎜のボルトを力いっぱい回せばナメてしまうだろう。要は、ボルトのサイズに応じて選べばいい。

 

工具小話・トルク管理は重要

 

ボルトとは、本来適正なトルクをかけて締めるべきモノ。ゆるすぎて振動によってボルトが脱落するのは当然NGだが、締めすぎもボルトをナメてしまう原因になるし、部位によっては性能が発揮できなくなることもある(たとえばブラケットを留めるボルトやエンジン内部のボルト)。

そのためサービスマニュアルには規定トルクが細かく記載されている。そのトルクを測るのがトルクレンチだ。測定できる範囲は限られているので、使う部位に応じたトルクレンチを用意すること。

もっと記事の内容を詳しく知りたいなら!

 

タンデムスタイル No.261』の“整えて備える”特集をチェック!

 

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