【タンスタ本誌263号】バイク事故はいやだ! シチュエーション別・危険察知術 その1 ~リスクヘッジマニュアル~

 

バイクに乗ることは楽しい! 楽しく走れば気分も上がるが、ちょっと待って! 調子に乗りすぎて無意識に自分本位な運転になっていたり、周囲の危険を察知できない緩慢な運転になっていたりしないだろうか。勢いで乗るのではなく、冷静に“危険に対するアンテナ”を張ることができれば、もっとリスクは減らせるはず。ここではシチュエーション別の危険について考えてみよう。

※この記事は『タンデムスタイル No.263』の“リスクヘッジマニュアル”特集をWEB用に再編集したものです。

ライディングによる危険回避術

走行中はつねに危険にさらされているといってもいい、バイク。一歩間違えれば大事故につながるのが公道走行というもの。だからといって過度に恐れる必要はないけれど、やっぱり心構えは大事なのだ。事故、転倒が発生するときは、必ずその原因がある。避けられる原因なら、避ける以外の選択肢はナシ! シチュエーション別にその対応策を考えていく。

 

高速道路

高速で走るとき、空気をいつも以上に押しのけながら進んでいる。その空気は車両の周囲で渦を巻く。トラックなどはその渦が大きく、横を通過する際、バイクに影響を与えることも。トラック側へ“引き込まれるかもしれない”と、トラックの近くを走るときは身構えよう

 

高速道路の最大の利点は、スピードが出せて早く目的地に着くこと以前に、“車両が同一方向へ走り、車両同士の動線がほぼ交差しない安全な道”だということ。なかでも対向車との通行が分離され、人も侵入しないという前提におけるメリットは大きい。

 

一般道と比べれば、速度が出るという点をのぞけば、安全な道路だ。しかし、高速道路でも事故は起きる。油断することなく“かもしれない運転”のセンサーを働かせ、事故と遭遇することを避けてほしい。

 

また単調な道が続き、速度が速いため気付かぬうちに疲労が蓄積。集中力が落ちないよう、こまめな休憩をとることを心がけること。

 

ジャンクションやPAの入口や出口、高速道路の出口などは要注意。突然、車線変更をしてくるクルマやバイクがいる“かもしれない”ので、周囲の動きに注意し、速度を調整しておく
料金所で止まる際、バランスをくずして立ちゴケしないように。ETCレーンの場合は、自車・他車が通過するとき、ゲートが開かない“かもしれない”ことを念頭に置こう

 

ワインディング

ワインディングは街中と違って見通しが悪い。昨日走った道でも、翌日走ったら状況が異なることも多々ある。ゆえに目を吊り上げて走るのではなく、何かあったときに回避できるスピードで走ることスポーツ走行したいならサーキットへ!

 

街中と違って右へ左へコーナーが続くワインディング。バイクを操る楽しさが存分に味わえるステージだ。だが、その楽しさや刺激の強さのあまり、安全マージンの確保を忘れると、それだけに危険も高まることを頭に入れておこう。

 

“この先のコーナーを立ちあがったら、路面に砂利が浮いているかもしれない”

“曲がった先にクルマが止まっているかもしれない”

“対向車がセンターラインをはみ出してくるかもしれない”

“動物が横切ってくるかもしれない”

 

ワインディングでもさまざまな危険を想定しつつ、仮に遭遇しても自分の技量で回避できるスピードで走りを楽しんでほしい。

 

ワインディングでは排水などの目的から溝が掘られていることも。この路面はハンドルを取られやすいので、この路面に出合ったら後方の安全を確認したうえでスピードを落とすこと
この写真は極端な例だが、山間部では路肩に雪が溜まっていたり、日陰が凍結していたり、路面が荒れていることもある。路面の状態がわからないときは決して無理しないように

 

ダート/林道

ダートは舗装路と違って、さまざまなシチュエーションがある。路面が乾いてフラットであれば転倒のリスクは低いが、濡れていたり、倒木があったりと難易度は刻々と変わっていく。腕に自信がなければ1人で立ち入らない、引き返すことも考えよう

 

山奥にあって交通量が少なく、整備も行き届いていないことが多い砂利道、それがダート林道だ。舗装路と違って難易度は高い。そんな道をあえて選んで走るのだから、転倒ぐらいは覚悟のうえの走行だろう。実際、その走りにくさからそれほど速度域は上がらないが、転倒する“かもしれない”と人馬ともにきっちりと対策をしておこう。

 

そうすれば転倒したところで大したダメージにならず“イッテェ!”だけで、バイクも壊れることもなく、リスタートの可能性が高いのもダート走行の楽しさだったりするのだ。ただし、あくまでリスタートできる可能性が“高い”だけであって、走る際は自己責任で!

 

バランスをくずして転倒は、ダート道ではよくある話。ただ転倒した場所、車両によっては1人で起こせないことも。ゆえに仲間と一緒に走るようにしたい
たいていのダート林道は道幅がせまい。クルマ1台がとおれる程度であることもしばしば。ゆえに走る際はキープレフトが基本だ。対向車が来る“かもしれない”ので、スピードは控えめに

もっと記事の内容を詳しく知りたいなら!

 

タンデムスタイル No.263』の“リスクヘッジマニュアル”特集をチェック!

 

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