バイクで走っていれば必ずかかるガソリン代。家計と直結しているためバイク選びにおいて燃費が気になるという人は多いことだろう。しかし、いざカタログやWEBサイトのスペック表で燃料消費率の欄を確認してみると、『定地燃費値』と『WMTCモード値』の2つが載っているではないか。
しかも車種によっては定地燃費値は2名乗車時で41㎞/ℓなのに、WMTCモード値は1名乗車時で28.3㎞/ℓと、かなりの差が出ている場合もある。一体これってどういうこと?どっちを参考にすればいいの?と迷ってしまう初心者もいるはず。
そこで2つの値がどのようなものか、かいつまんで説明すると…
定地燃費値とは
平坦な直線の舗装路を60㎞/h(50㏄以下は30㎞/h)で走行し続けた場合の数値。
イメージ的には燃費の限界値に近い。実際に走行してこの数値を出すのはほぼ不可能と言っていいだろう。
WMTCモード値とは
シャーシダイナモ上を発進・加速・停止のパターンを取り入れて走り、排ガスのデータから算出される使用実態に近い数値。
上記の説明でわかるように定地燃費は実際の燃費とはかけ離れた数値なのに対し、WMTCモード値は実際の使用状況を想定した、より現実的な値になっている。もし燃費を気にしてバイクを選ぶ際は、スペック表のWMTCモード値を参考にしよう。
ただし、いくらWMTCモード値が使用実態に近い数値とはいえ、バイクの燃費はその時の気温や湿度、路面の状況、走り方、バイクの整備状況などさまざまな要因で変わるもの。絶対的な値ではないことを理解しておこう。
もっと知りたいWMTCモード
WMTCモードの測定条件は?
気温25℃で1名乗車、各メーカー指定タイヤの空気圧で測定される。ちなみにWMTCモード値が記載されるのは、WMTCモードで排ガス規制をクリアしたバイクのみ。
すべてのバイクが同じ計測方法なの?
測定方法は排気量と最高速によって5つのクラスに分かれている。すべてのバイクが同じ方法で計測しているわけではないのだ。
WMTCモードの記載は法令で決まったの?
この制度は、とくに法律などで規制されているわけではない。国内二輪メーカー4社が自主的な取り組みとして行なっているもの。いずれにせよ、ユーザーにとって実状に近い数値がわかるというのは、うれしいかぎり。
いつごろから始まってるの?
「気づいたらこうなってたんだけど、いつから始まったんだっけ?」と思っている人も多いのでは? この制度は2013年の7月以降から採用されている。