※本記事は姉妹誌レディスバイクからの転載記事です。
大きさに包まれて何処へでも羽ばたいて行ける
20年以上、世界中のたくさんのファンを虜にしてきた“アルティメット(究極の)スポーツ”ハヤブサ。最新の電子制御システムを詰め込んだ第三世代は、その大きさと迫力から獰猛そうに見えるけど、女性でも手なずけやすい猛禽類へと進化しました。
SUZUKI広報さんのオススメポイント
- 知的なイメージを演出するマットな質感のシルバーに、艶めくキャンディレッドが風の流れを表現する上品な色使い。独特のルックスにほれる“隼女子”も多いです。
- パワフルで手強そう? いえいえ、低速域でもギクシャクせず電子制御の恩恵も受けて、マイルドにツーリングを楽しめる親しみやすさも兼ね備えています。
- サポートしてくれる数々の電子制御は、さまざまなシチュエーションや車両の傾きまで考慮し、細かな設定も可能。頼もしいHayabusaの翼で、解放的なツーリングの旅へ。
SUZUKI Hayabusaのスタイリング
COLOR VARIATION
圧倒される大きさなのに女性でも扱いやすいバイク
三世代目のハヤブサが登場して2年目になりました。これまでのどことなく丸みを帯びたデザインから、ちょっとエッジの効いた精悍でエレガントなフォルムになったハヤブサです。
このハヤブサ、意外! と思われるかもしれないけど、かなり乗りやすいバイクなんです。大きなバイクだから、いざオーナーになろうと思うとその取りまわしなどではライダーの根性を試されるような、大型バイク特有の壁はあります。男性ライダーでさえ、ナメてかかると痛い目をみるボリューム感と迫力。第三世代になって少し軽くなったとはいっても、その車重は264㎏。取りまわしでフラついたりすると、女性には辛い車重です。だけど、これもやっぱりビッグバイクを取りまわすための当たり前のコツを習得すれば、絶望的な障壁にはならないと思います。
重さだけならハヤブサより余程ヘビーなハーレーなど大型アメリカンに乗っている女子なんていっぱいいますもんね。腰をうまく使って支えるとか、バイクを止める前に出す時の取りまわしを考えるとか…、をつかめば、なんとか取り扱えるものです。
問題はシート高の高さなどによる足つきの不安かな。いろんな場面で足つきが辛いと不安。中でもいちばん怖いのはUターンじゃないかな。わたしは少しジムカーナをやっていたことがあるので、クルクル回るのに怖さはなくなっています。むしろ好き。だがらUターンに対する感覚は参考にならないかもしれないけど、ハヤブサのUターンは手強そうに見えて、スポーティで重たいビッグバイクの中では、けっこうやりやすい方なんです。エンジンに低速から力があって使いやすいのと、重心が低いのか、ターン中に失速しそうになってもスゴい力で倒れ込んだりしにくいんです。
この辺りのノウハウは専門の達人たちの動画とか見て挑戦してみてください。ちょっと検索するだけで、いっぱい出てくるはず。シート高自体は、スポーティなリッターバイクにしては低めの設計。しかも、第二世代より少し低く、ポジションもラクチンになっています。
見た目の迫力に圧倒されがちだけど、わたしたち女子がネックになるのはこういった取りまわしだけ。そんなに身構えて、最初からムリだと思うようなバイクではないんです。
走り出してみるとまず、その身軽さにビックリするかもね。力任せに素早く切り返そうとしたりすると、どうしてもその重さを感じてしまうけど、バイクなりの動きに合わせて傾ければ、かなり軽い手ごたえで応えてくれます。しかもそれがけっこう俊敏なんです。スロットルで加減速のリズムを取ってあげると、街中を流すような速度でも、機敏にフットワークします。クイックな峠道でも、あ、寝かし損ねた、曲がらない!なんてことにはなりにくいと思います…というか、バイクにパワーがあるからこそ、体や力を使わなくても、バイク任せでグイグイいけちゃうと思います。女性はちょっとトレーニングしたくらいでは、男性みたいな力はつかないでしょう。だから、最初から自分の力でなんとかしよう!なんて思わない女性ライダーの方が、逆にハヤブサのポテンシャルを引き出すのはうまいかもしれないです。本当に軽く、ヒラヒラと舞うように走れちゃうんです。
それでいてビッグバイクらしい節度や安定感もありますよ。小型軽量なバイクだと、たとえば走行中、横に大型トラックが並んだりすると吸い寄せられてフラフラしちゃった…なんて経験、ないですか? もしくは、風の強い日、橋の上でまっすぐ走れなくて怖かった、なんてことは? そんな時の安定感や安心感はさすが。どっしりと構えて、落ち着いて走行できます。
大きなコーナーが続くようなワインディングでは、一定のバンク角をたもったまま、グイグイと曲がっていくのも得意。車体をバンクさせたままペースを上げていってもはらんだりすることなく、安心して身を委ねていられる感じ。大きさと力強さが故の安心感、これはもう抜群。非力な女子に、バイクがサポートしてくれるんです。
安定感があるというのは、ロングランでも心強いです。長距離、長時間走っても、ストレスがたまりにくいんです。ハヤブサはセパレートハンドルで、やや前傾のライディングポジション。だけど、ガチガチのスポーツバイクのようなキツさはないから、ゆったり構えていれば余裕。シートもワイドでボリュームがあるから、オシリにもやさしい。クルーザーのような…とまではいわないけれど、そんな感覚でのんびりだって走れちゃいます。
ただ、いくらわたしが「女性でも安心して乗れるバイクだよ」って言ったところで、身長が167㎝あるので、小柄な女子ライダーはやっぱり大きさに躊躇してしまうでしょう。なので、155㎝の女子にも乗ってみてもらいました。最初のスタートこそ少しギクシャクしてしまったみたいだけど、その後は至ってスムーズに走れたみたい。以下、本人の感想です。
「発進時は緊張からか若干アクセルを吹かし気味にスタート。まっすぐ走ることはできたけど、次に曲がるという動作。ここでも緊張の一瞬が訪れるわけだけど、いつもどおりに曲がってみました。すると、低速では不安があるものの、思いのほかスムーズに曲がっていくことに驚きました。走っていると260㎏超の重量感というのはウソなのでは?と思うくらい軽快に走ってくれます。ライディングポジションはスーパースポーツよりラクという印象だけど、少しハンドルが遠めに感じることもあります。だけど操作性にはとくに影響がなくて、首都高速道路のようなコーナーが連続するような場所でもヒラヒラと軽快な切り返しができてしまうので、外見とのギャップにちょっとグッと来てしまいました」…ってね。ハヤブサは本当に乗りやすいバイクなんです。しかも、ライダーをサポートしてくれる充実の電子制御システムを搭載しているから、さらに安心。200㎰近いパワーを発揮する怪物なんだけど、パワーモード切り換えが付いていて、ギクシャクしてしまうほどのスロットルレスポンスを避けることができます。慣れちゃえばもっとも敏感なレスポンスをするモードでも街中から峠道まで何不自由なく使えるスムーズなツキなんだけど、のんびりとパワーが立ち上がってくる小型バイクなどから乗り換えると、気ぜわしく感じることもあります。そんな時はモードをミドルくらい合わせると、全然穏やかです。意外にも、200㎰でさえ身構えなくていいようにうまく制御されています。
だけど、力は全回転域でみなぎっている、と表現するのがいいかな。6速のまま高速道路を流していても、そのままスロットルを開ければ大抵のバイクが追いつけない勢いでダッシュします。街中でも、空いた郊外の田舎道でも2000rpmも回っていればクルマを簡単に追い越せる力を蓄えたまま流せます。3000rpmも回っていれば400とか250のストリートバイクが1〜2速シフトダウンしなければ置き去りにされる勢いでダッシュできます。
このストレスのなさ、イージーさこそビッグバイクの魅力、醍醐味です。ハヤブサは、それを簡単に味わうための、多くの要素を持っているバイクです。
SUZUKI Hayabusaのディテール
SUZUKI Hayabusaの足つき&乗車ポジション
SUZUKI Hayabusaのスペック
- 全長×全幅×全高
- 2,180×735×1,165(㎜)
- 軸間距離
- 1,480㎜
- シート高
- 800㎜
- 車両重量
- 264㎏
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒・1,339㎤
- 最高出力
- 138kW(188㎰)/9,700rpm
- 最大トルク
- 149N・m(15.2㎏f・m)/7,000rpm
- 燃料タンク容量
- 20ℓ
- 燃費(WMTC)
- 15.4㎞/ℓ
- タイヤサイズ
- F=120/70-17・R=190/50-17
- 価格
- 215万6,000円(税込)※マッドソードシルバーメタリック×キャンディダーリングレッドは1万1,000円高
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