世界的なアドベンチャーツアラーブームが巻き起こっている現在。台湾のSYMまでもがアドベンチャーツアラーのNH Tシリーズをリリース。124.1㏄のモデルと183㏄のモデルが日本に上陸することになった。今号では183㏄のNH T200に試乗してみた。
文:谷田貝洋暁/写真:関野 温
本格アドベンチャーを軽二輪で楽しめる!
SYM NH T200のスタイリング
気負わずに走り出せる気軽さがウリのマシン
前号では124.1㏄のNH T125に試乗させてもらったが、今回は軽二輪クラスで高速道路も走行可能なNH T200だ。前回の試乗で“これだけ車体がいいのに原付二種クラスで高速道路を走れないのが残念”と書いただけに、非常に楽しみなところ。
さて早速試乗、といいたいところだが、今回の試乗モデルはSYM取り扱いショップ“2輪の店よしい”さんから借りてきた試乗車両だ。マフラーやスプロケットなど、走行性能に直接関わる変更点はないものの、大型スクリーンにエンジン&ハンドガード、キャリア類など、結構な量のカスタムパーツが取り付けられている。
さて走り出してみると、それまでの予想が確信に変わった。NH Tシリーズは125も200も車体に関しては共通とのことだが、やはり大きな排気量の200の方が車体性能的にしっくりくるのだ。
クラス唯一のアドベンチャーツアラーである125の存在意義もすごいと思うが、車体の性能をあますところなく味わいたいならやっぱり200の方がいい。フロント19インチからくるゆったりとした走行フィーリングは、非常にアドベンチャーツアラーらしい落ち着きがあり、空冷125㏄ではちょっと力不足を感じたパワーは、水冷183㏄になったことで重さを感じることなくしっかり加速。重量感もほどよく、軽すぎず、重すぎず。しっかり“ツアラー”に仕上がっているのだ。
続いてお待ちかねの高速道路へ。なにせ6速ミッションで高速走行も可能なのだ。とりあえず80㎞/hくらいまで加速してみるが、何の問題もない。まだまだエンジンは余力を残しており、さらにスロットルを開ければ110㎞/hくらいまで加速してくれる。車体に関しても、少しバタついて不安なところが出てくるかと予想していたが、意外に落ち着いている。さすがに110㎞/h以上になると“余裕…”とはいえないものの、オフロードバイクのような軽さからくる妙な不安定感のようなものは感じない。100㎞/hくらいで淡々と走り続けるには、車体もエンジンも十分。高速道路を使った日帰りツーリングはもちろん、泊まりのツーリングだって十分こなせるだけのツアラーに仕上がっている。
それに大型スクリーンにエンジンガードと、このクラスにここまでカスタムパーツがそろっているというのもなかなかすごい。しかも車両本体価格は40万円以下である。非常に手ごろなので、アドベンチャーツアラーにはあこがれるけど“既存のアドベンチャーツアラーは大きくて重すぎる! もっと軽くて扱いやすいマシンが欲しい…”というライダーは、一度お店で試乗してみてほしい。
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※記事の内容はNo.239(2022年2月24日)発売当時のものになります