KYMCO KRV180TCS

KYMCO KRV180TCS(2022年モデル)走行

台湾ブランド“キムコ”を代表する大型スポーツスクーター・AK550のフィロソフィーを投入して誕生したミドルクラスのスクーター‟KRV180TCSˮ。他とは一線を画する部分はどこかを、乗って体感して理解した。

文:濱矢文夫/写真:南 孝幸

スポーツスクーターと胸を張っていえる!

KYMCO KRV180TCSのスタイリング

走りへのこだわりを随所に感じられる作り込み

乗った感想をつらつらと書いて、最後にまとめようと思ったことを、がまんしきれずに最初にいおう。これはかなりのスポーツスクーターである!“な〜んだそんなことか”と思ったあなた。スポーツの解釈はいろいろある中でも、この排気量のスクーターとしてはトップクラスだと断言しよう。いい切っても怒られない自信がある。

 

ツリ目で尖ったところが多いアグレッシブな造形をしたスクーターは多い。それでちょっと軽快に走れれば十分にスポーティ。しかし、これはそのレベルから頭ひとつ抜けている。走り出してすぐに驚いたのは前後足まわりの剛性感と路面追従性の高さ。路面の凸凹や段差をスクーターで通過すると、ガタガタとした手応えでとっちらかることがある。KRV180TCSはこの安っぽい動きが実に抑えられていて、大きめのショックもしなやかにいなして収まりがいい。正直、乗る前はそれほど期待していない気持ちもあったから、ハッとした。フルブレーキングしたときの感触もいい。

 

KYMCO KRV180TCS(2022年モデル)走行

 

スクーターによくあるエンジンと駆動系が一体になって動くユニットスイングではなく、普通のバイクと同じでフレームにエンジンがマウントされ、リヤサスペンションはスイングアーム式。ベルトドライブでリヤタイヤを駆動する。エンジンとさよならしたバネ下の軽さは明らかな違いとなって出ている。エンジンを前方に搭載し、前後重量配分を50対50にしたこだわりもあって、好ましい動き。またがった印象はコンパクトなものだが、ホイールベースは1400㎜とそれほど短くない。けど、そんなことを感じさせない旋回性のよさ。タイヤが接地しているのがわかりやすく、スロットルを開けていったときのトラクションもグッド。前後13インチと標準的なホイールを履いた走りはなかなかのレベルだ。

 

バランスシャフトを内蔵した水冷OHC4バルブ175.1㏄単気筒エンジンは、振動が少なくスムーズな吹け上がり。車重143㎏で、最高出力が17ps。パワーウエイトレシオが小さいことをキムコはアピールする。体感的には特別に加速が鋭いというよりスルスルと滑るように速度を伸ばす印象。ただ、減速からの加速などのリアクションにいい方向で影響が現れている。これにトラクションコントロールやABSといった装備も付いてくる。ライバルとは違う性能にしたいという意気込みを評価できる仕上がりだ。

次ページ:KYMCO KRV180TCSのディテールと足つきをチェック!

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問い合わせ先
キムコジャパンお客様相談室
電話番号
0120-046-165
URL
http://www.kymcojp.com/

※記事の内容はNo.245(2022年8月24日)発売当時のものになります

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