ヤマハのモトクロッサーのトップレンジYZ450Fがフルモデルチェンジ。エンジン&フレームの完全刷新はもちろん、変わってないパーツを数えた方が早いという大改変を行なった!
文:谷田貝洋暁/写真:関野 温
新型はさらに乗りやすくなっている!!
誰もが“買いに行けるファクトリーマシン”
飛んだり跳ねたりのモトクロス競技に使うモトクロッサー。今年のヤマハはトップレンジモデルのYZ450Fをフルモデルチェンジで大改変。新作のエンジンはトラクションコントロールシステムを装備するとともに、従来モデル比で5%もの出力向上。車体もほぼすべてが見直され、車両全体で2.3㎏もの軽量化に成功している。
このヤマハ競技専用車試乗会には毎年参加しており、そのたびに“扱いやすく乗りやすくなった!”といっている気がするが、今回のYZ450Fの改変は、今までで一番大きな変化といっていいくらいの大改変になっている。
いくら年々乗りやすくなっているとはいえ、AMAスーパークロスやモトクロス選手権でタイトルを獲得するようなモトクロッサーである。“些細な違いなど、一般ライダーの筆者にはわからないだろうなぁ?”と走り出したのだが、旧型と乗り比べれば明らかにフィーリングが違う。
端的にいえば新型の方が断然扱いやすく、コーナリングでスッとフロントが自然に切れ込んでいく感じ。一方の旧型は、なんだか車体が大きいというか、新型比で曲げにくく感じる。大柄感があって立ちが強いというか。
新型にはそんな扱いにくさがないからだろう、コーナー進入時に変な力が入らない。筆者の場合、モトクロッサーでコースを走ると、いつもならものの10分で腕がパンパンになるのだが、新型YZ450Fでは不思議とそれが起こらなかったのだ。いつもどんだけ無駄な力を入れて走ってるんだ?って話だが、この扱いやすさがあれば、多少苦労するのは承知で“エンデューロ遊びに使うのもアリなんじゃない?”なんて余計なことを考えてしまうくらいの扱いやすさがある。
モトクロッサーのトップレンジモデルなんていうと、限られたライダーのみが乗ることができるような雰囲気があるが、近年のモデルは十分扱いやすくなっている。とくに新型のYZ450Fとなら、これからモトクロスを始めようというライダーだとしても、オフロードバイクに乗り慣れていれば、わりとちゃんと遊べそうな気がする。そんな乗りやすさを感じるのだ。新型YZ450Fのコンセプトには、“買いに行けるファクトリーマシン”なんて標語もあったが、文字どおりそんな感じ。真剣にレース出場を考えるような“ガチ勢”だけではなく、一般的なライダーであっても十分コースで楽しめるマシンに仕上がっている。
次ページ:YAMAHA YZ450Fのディテールと足つきをチェック!
CONTACT
- 問い合わせ先
- ヤマハ発動機カスタマーコミュニケーションセンター
- 電話番号
- 0120-090-819
- URL
- https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/
※記事の内容はNo.247(2022年10月24日)発売当時のものになります