※デカールはワンオフ非売品になる
250EXC WP PRO:“速さ”を得られるサス
高性能なクローズドカートリッジとコーンバルブのフロントフォークと、モトクロスやラリーでも使われるSUPERTRAXテクノロジーを採用したリヤショックのWP PRO。それらを装着したKTM車両に乗って走りの違いを体感。
さらなる上を目指すライダーのための選択肢
標準WP製ユニットより性能を高めた、前後で約70万円という価格のWPプロを装着した250EXCに乗ってのファーストインプレッションは“フロントのコンプレッションダンピングが私にはちょっと強い”だった。KTM/ハスクバーナMC/ガスガスのオフロードモデル試乗会場となったワイルドクロスパークGAIAのウッズセクションは、ゲレンデコースなどとは違い、細かく曲がる場面が多く、スロットルを大きく開けられない。上級者だと違うのだろうが、万年中級者の私には、平均速度を上げてより荷重をかけての走行は試しにくい。とりあえず標準のまま、がんばってペースを上げると、やっと本領が見えてきた。
高速で段差を抜けていくシーンで、しなやかさが出て、縮んでから伸びる減衰の働きが実によく、タイヤが路面を嫌わずなめるように進んでいける。スロットルをもっと開けやすくなり、スピードをどんどん上げられる。自分でペースを作れるファンライドではなく、周りと競うクロスカントリーやエンデューロのレースで、よりライバルの前を走りたいなら、高額ながら、この性能は大いに魅力だ。とくにリヤがリンクレスのKTMエンデューロ車だと、その効果がはっきりと出る。
私の運転技術では劇的な違いとまでは思えなかったけれど、もっと好みのセッティングに変更したら、隠れてしまったいい部分が出てきそうな潜在能力がある。お金に余裕があるならビギナーが装着してもネガティブなことはないだろう。ただ、この高性能な前後サスペンションの効果を享受できるのは、それよりもっとコンペティティブなライダーだ。純正採用されているサスペンションメーカーが、アップグレード版を選択肢として提供してくれるところは大いに評価したい。いかに凸凹をいなし路面追従性を上げて、安定した走行にするか。その成果として、速く走れ、ライダーの仕事量を減らし疲労を少なくする。それを突き詰めた足だ。
CONTACT
- 問い合わせ先
- KTMジャパン
- 電話番号
- 03-3527-8885
- URL
- https://www.ktm.com/jp/
※記事の内容はNo.247(2022年10月24日)発売当時のものになります
このインプレッションはNo.247に掲載されていました