GASGAS EC250F / EC300

GASGAS EC250F(2023年モデル)ジャンプ

免許区分:普通二輪免許

ハスクバーナモーターサイクルズ同様、KTM傘下にあるガスガスも、KTMとエンデューロモデルを共用している。ここでは2ストロークと4ストロークのキャラクターの違いを見ていくことにしよう。

文:谷田貝洋暁/写真:関野 温

2ストは4ストの倍近いパワー!

GASGAS EC250Fのスタイリング

排気量はほぼ一緒だが倍近いパワーの差を感じる

近年、ナンバー付きの市販車において2ストロークエンジンは排出ガス規制によってほぼ絶滅しているので、まず4ストロークと2ストロークの機構の違いからおさらいしよう。4ストロークはピストンの上下に“2往復”する間に、吸気→圧縮→燃焼→排気の1サイクルを行なうのに対し、2ストロークは“1往復”でサイクルが完結する。つまり、エンジンを5000rpmまで回した場合、4ストロークは回転数の半分の2500回しか燃焼していない。一方、2ストロークはその倍。エンジン回転数と同じ5000回の燃焼を行なうことになる。2ストロークは4ストロークに比べて圧縮比が低く、1発あたりの燃焼で発生させるパワーは低くなる傾向にあるものの、それでも4ストロークの倍数の燃焼を行なえば、それだけエンジンの吹け上がりも早く、ハイパワーになる…、というのが2ストロークの最大の特徴だ。

 

今回のEC250FとEC300の試乗でもその違いをもろに感じることになった。排気量は4ストロークのEC250Fが249㏄で、2ストロークのEC300が293・2㏄。もともと約44㏄も排気量が大きいことに加えて、燃焼が倍なのだから、EC300の方が圧倒的にパワフル。

 

燃焼サイクルが早ければ、それだけエンジンの吹け上がり具合も早く、スロットルに対するレスポンスがとにかくピーキー。よく“2ストロークは脳ミソが置いていかれるうような加速”なんて表現をされるが、倍の速度で吹け上がるのだからあたり前なのだ。とくにガスガスのエンデューロモデルは、車体を共有するハスクバーナMCやKTMよりも総じてフケが鋭く、伸び上がるような加速のキャラクターが与えられているだけに、なおさらEC300のエンジン特性はピーキーだと感じる。

 

正直いうと、EC300でウッズセクションやガレ場のようなテクニカルな場面を走ると、途端にパワーを持て余してスロットルが開けられなくなる。まぁ、これはマシンが悪いわけではなく、ウデの問題で僕がEC300を乗りこなせてないだけ(笑)。単純比較はできないが、前項で試乗したハスクバーナモーターサイクルズの4ストロークFE501の方がはるかに扱いやすいと感じたくらいである。

 

それに比べて4ストロークのEC250Fのなんと扱いやすいことよ(笑)。決してパワー不足というワケじゃないのだが、スロットル操作に対するエンジンのツキも2ストロークに比べれば随分穏やかで、スロットルワークに余裕が出る感じ。車名の数字はEC250FとEC300で“50”しか違わないものの、2ストロークと4ストロークのエンジン機構の違いで、パワー的には倍近い開きが生まれてしまっているような印象を受けた。

GASGAS EC250Fのディテール

GASGAS EC250Fの足つき&乗車ポジション

GASGAS EC250F(2023年モデル)乗車姿勢
GASGAS EC250F(2023年モデル)足つき
身長:172㎝/体重:75㎏
シート高は960㎜のEC250Fで撮影。クルブシを動かしにくいオフロードブーツを履くと、両足のツマ先がギリギリついた。足つき性に関しては、2ストロークのEC300もほぼ変わらず。ハスクバーナMCよりも若干足つき性はいいようだ

GASGAS EC250Fのスペック

全長×全幅×全高
―×―×―(㎜)
軸間距離
―㎜
シート高
960㎜
車両重量
約105.6㎏(燃料除く)
エンジン型式・排気量
水冷4ストローク単気筒・249.9㎤
最高出力
―kW(―㎰)/―rpm
最大トルク
―N・m(―㎏f・m)/―rpm
燃料タンク容量
8.5ℓ
タイヤサイズ
F=90/90-21・R=140/80-18
価格
130万4,000円

GASGAS EC250F 製品ページ(英語)

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CONTACT

問い合わせ先
GASGAS MOTORCYCLES JAPAN
電話番号
03-3527-8885
URL
https://www.gasgas.com/en-jp.html

※記事の内容はNo.247(2022年10月24日)発売当時のものになります

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