2021年より積極的に普通二輪免許で乗れるアンダー400㏄クラスにニューモデルを投入しているロイヤルエンフィールド。その3台目となるロードスタータイプのハンター350がデビューした。その実力に迫る。
文:岩崎 雅考/写真:増井貴光
心地いい鼓動感が日常に刺激を与えてくれる
ROYAL ENFIELD HUNTER350のスタイリング
ロードスター然としたスタイリングを構築
以前は一部のマニアックな人にしか知られていなかったロイヤルエンフィールドだけれど、国内導入されるラインナップが充実してくるとともに、その知名度が増してきている。どんなメーカーなのかの詳細はメーカーのホームページに任せておき、まったく知らなかったという人のためにイギリスでスタートした歴史あるメーカーなのと、現在はインドを拠点にグローバルな活動をしていることをお伝えしておこう。そして、ラインナップが増えてきたことで、その印象は薄まりつつあるけれど、昔ながらのオーソドックスなモデルを得意としているメーカーであることも付け加えておく。
ここで紹介するハンター350も、レトロな雰囲気を放つクラシック350とクラシカルなクルーザーテイストのメテオ350と共通のプラットフォームを採用するモデルだ。先にメテオが発売され、続いてクラシックがラインナップに加わり、その2台を乗り比べたときに、意外と差があったことに驚かされた。それゆえハンターにも、どれくらいの差を感じられるのかという期待があったのだ。
スタイルは、前後に17インチホイールを履いたいわゆるロードスタータイプ。メテオ、クラシックと同じプラットフォームを採用していることから考えると、よくここまで差異を出せたなと感心するくらいのデキである。逆にこういったことができるからこそ、次々とニューモデルを発表できるメーカーとしての勢いがあるのかもしれない。
またがって最初に感じるのは、上体がちょっと前傾する、90年代にブームとなったネイキッドに通じるなじみやすいポジションだなというもの。単気筒エンジンだからヒザの開きも少なくて、前後に長めにとってあるライダーシートのおかげもあって大柄な人から小柄な人まで、万人がしっくりくるポジションをとりやすいはずだ。
幅広いステージで活きるパッケージ
空冷単気筒エンジンは、すでに販売されている2機種と同じモノで、スタータースイッチを押した際の目覚めがいい。そしてアイドリング時から単気筒らしい適度な鼓動感が伝わってくる。そこから、勢いよくアクセルを開けようが、逆にゆっくりと開けようが、その開けっぷりに合わせて、スムーズにエンジンの回転数は上がってくる。ライダーに従順で素直な出力特性だ。そして誰もがもっとも気になっているであろう、今回初採用となる前後17インチホイールが生み出す操縦性なのだが、これがまたポジションと同じようにしっくりとくる。バイクを走らせていると、とくに乗り始めなんかにハンドリングにちょっとした違和感があったりするのだれど、そういった引っかかるところがない=扱いやすいバイクという図式が成り立つ。乗り手の意思に従順なエンジンと合わせて、込み入った街中をキビキビと走り回ることもできるし、ワインディングをスポーティに流すこともできる。まさに楽しむフィールド選ばない。
フラットで広めの座面は荷物の積載性もよさげ。それゆえ街中からロングツーリングの相棒まで、幅広い用途に対応してくれることは間違いない。また、メーカー自体が純正アクセサリーパーツの開発にも積極的なので、既存の350シリーズ向けパーツが使えるだろうし、今後ハンター用のパーツがラインナップされて用途に合わせたカスタムもしやすくなるはずだ。
今回、ハンターが加わったことでロイヤルエンフィールドの350シリーズの注目度が高まるだろうし、それが国内のバイクシーンをより熱くしてくれることだろう。
IMPRESSION by 吉田
17インチ化で気持ちよく街中を駆け回れる
古い国産車をベースにしたカスタムシーンでは、ホイールサイズを前後17インチ化するメニューが定番になっている。より現代的なハンドリングやタイヤの選択肢を増やすのが主な目的。もちろんホイールを装着すればいいわけではなく、車体姿勢やサスペンションの見直しもともなうが。そういう意味では今回のハンター350はメーカー純正カスタムといったところ。こう書くと‟スポーティなモデルˮと思う人もいるだろうが、扱いやすさを重視しているので、気負うことなく街中を走り回ることができた。
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CONTACT
- 問い合わせ先
- ピーシーアイ
- URL
- https://www.royalenfield.co.jp
※記事の内容はNo.252(2023年3月24日)発売当時のものになります