ミドル史に名を刻む名車たち vol.02 KAWASAKI ZEPHYR〈ヒストリー編〉

ミドル史に名を刻む名車たち KAWASAKI ZEPHYR

89年のデビュー後もゼファーはより高い完成度を目指し、96年の第2世代であるΧにバトンを渡すまで改良が進められた。その7年間の軌跡を追ってみよう

ゼファー7年の系譜 1989〜1996

ZR400-C1 1989
丸目ヘッドライトやツインショック、むき出しの空冷エンジンといった、レプリカ全盛の当時としては斬新なスタイルで登場したゼファー。単なる懐古主義的なモデルでなく、扱いきれる当時のテクノロジーを搭載した等身大のマシンといった面も支持された大きな要因なのだ
ZR400-C2 1990
90年2月には早くもマイナーチェンジが行なわれる。変更点はタンクエンブレムがデカールから立体メタルエンブレムに変わったのみで、そのほか諸元はC1と同じ
ZR400-C3 1991
メーター形状が左右対称の砲弾型となり燃料計も追加。ウインカーケースも同様に砲弾型となった。また、充電系の改良やシートの材質も見直され、ヘッドライトも常時点灯式となる。カラーも明るめの赤から、やや落ち着いた感のある色へ変更。従来の紺は継続
ZR400-C4 1992
サイドカバーの“Kawasaki”のロゴが立体エンブレムに変わりロゴ下の“STORY IN THE WIND”の文字も廃止。カラーも紺から黒へ変更される
ZR400-C5 1993
MFバッテリーの採用やスイッチケースも新型になり、ハザード機能もC2以来の復活。さらにフロントブレーキのディスクローターのホール数が増やされ、リヤブレーキキャリパーも1 ポットに変更。またシート表皮や各部の塗装も変わり、タンクエンブレムも樹脂製となる
ZR400-C7 1995
94年のC6はC5からの変更点はなく、最終型となるC7では、初めて明るい青系のカラーが登場する。それによって従来の赤系、黒系とあわせて3色のラインナップとなった
ZEPHYRΧ(ZR400-G1) 1996
デビューから8年目となる96年。ついにフルモデルチェンジをはたしたゼファー。車名にも“Χ(カイ)”が付き、第2世代へバトンを受け渡したことを印象づける。大きな変更点はエンジンで、2バルブから4バルブとなり、最高出力も現在の自主規制値である53psに大幅アップ

THE ROOTS of ZEPHYR

ゼファーのルーツをさかのぼると、Z1、Z2の普遍的なスタイリングの継承のほか、エンジンは84年デビューのGPz400F-Ⅱがベース。そのエンジンをさらにさかのぼると79年にミドルクラスとしては初のDOHC4気筒エンジンを搭載し、80年代のバイクブームのキッカケを作ったZ400FXにたどり着く。期せずしてヒットしたのではなく、その影には脈々と受け継ぐ名車たちの血統が活きていたのだ。

GPz400F‐Ⅱ

Z400FX

ゼファーのクランクケース下部にはZ400FX時代に使用したエンジンマウント取り付け穴が残っているのだ

※本記事は『Under400』No.01(2006年5月8日発売)に掲載された当時の内容を再編しています

KAWASAKI ZEPHYR 〈前編〉はこちらKAWASAKI ZEPHYR 〈後編〉はこちら

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