原二スクーターの代名詞といっても過言ではない、アドレスV125がフルモデルチェンジを敢行。車名からはVが取れ、アドレス125となった。一体、ドコがどう変わったのか、その詳細を見てみよう。
文:平野瑞希/写真:吉田 朋
ボディサイズの拡大=鈍重化と思うのは早計だ
スタイリング
何の変哲もない完成度それがアドレスの凄み
アドレスV125と見比べると一回り、ふたまわりは大きくなった印象を受けるアドレス125。実際、アドレスV125比で車両重量も12㎏増量し109㎏に。もちろん、コレは開発者の意図があってのこと。あえて、ボディサイズを拡大しているのだ。
“通勤特急”のキャッチコピーが与えられ、コンパクト&キビキビとした走りがウリだったアドレスV125。では、アドレスの魅力は失われてしまったのだろうか? その答えはノー。従来モデルのコンセプトをアドレス110に受け継ぐことで、アドレス125は新たなコンセプトを取り入れることができたというワケ。
9月29日より新たに販売を開始したアドレス125は中国で生産され、中国国内はもちろんのこと、韓国やブラジル、そして日本で販売されるグローバルモデルだ。コンフォート性を重視して開発されたという本モデルのキーワードは“ゆったり快適”。日常的に使われる道具として、いかに違和感なく馴染むかが徹底的に追求されているという。その完成度の高さは折り紙付きで、テストライダーが近年マレに見るまとまりのよさだと太鼓判を押したほどだという。
その理由はエンジン&シャシーにある。新設計の空冷OHC2バルブ単気筒124㏄エンジンは、燃費性能と加速性能の両立を追求し、エンジンレイアウトそのものから燃焼室や吸気ポート&バルブ形状までを見直すことで、9.4㎰の最高出力を発揮しつつ、WMTCモード値で51㎞/ℓの低燃費を実現している。スクーターのエンジンにおいて、もっともポイントとなるCVTの設定にもこだわりが。エンジン回転数を極力抑えることで燃費性能や静粛性を高めつつ、加速性能も損なわない絶妙なセッティングをねらって開発されているのだ。
こう聞くと、前のモデルよりも遅くなってしまったんじゃないか?と思う人も少なくないハズ。もちろん、それは杞憂に過ぎず、従来モデルよりも出だしからの加速は鋭くなっており、その加速性能はアドレス110よりも上だとか。さらに、フレームの剛性も向上しているので、最高速自体に変わりはないものの、高速安定性も高められているという。
足まわりはフロントに12インチタイヤを採用するとともに、前後サスペンションのセッティングもしっとりとした路面追従性の高さを感じられるものに仕上げているとのことなので、その乗り味にも期待が高まる。
また、注目したいのはその価格設定。バリエーションモデルの増加にともない、値段が上昇しつつあったアドレスV125シリーズだが、アドレス125ではシンプルなパッケージングとすることで販売価格もリフレッシュ。スタンダードのアドレスV125よりも2万1600円安い22万1400円に設定されている。
CONTACT
- 問い合わせ先
- スズキお客様相談室
- 電話番号
- 0120-402-253
- URL
- https://www1.suzuki.co.jp/motor/
※記事の内容はNo.187(2017年10月24日)発売当時のものになります