カタログやメーカーのHPを見ても載っていない、でも街で見かけることもある…。絶版車の中でも“旧車”と言うには古すぎない、1990年代のバイクたち。80年代のバイクブームののち、ネイキッドの登場やストリートブームなど多様化の時代に生まれた“チョイ古”バイクをピックアップ。現在でも熱狂的なファンを持つ80年デビューの名車、GSX1100S KATANA。そのシリーズの末弟となるGSX250S KATANAは、カタナ登場の11年後に誕生した
最新メカニズムを搭載し独創的なフォルムを再現
ネイキッドのなかには少なからず、“かつての名車をモチーフとしたのでは?”というマシンがあったが、今回紹介するGSX250S KATANAは、そもそものコンセプト自体が元のフォルムを忠実に再現するというところから始まっている。その元となったのが、独創的なフォルムで大きな話題を呼び、現在でも高い人気を誇るGSX1100S KATANA(以下、カタナ)である。
しかし1,100㏄サイズのフォルムを250㏄サイズで再現するというのは、そう簡単なものではなかったようだ。全体のバランスを計算しながらも、250㏄に合わせて各ディテールを徹底的に追求する必要があった。そのためフロントカウルは、チンスポイラーやサイドカウルなどは共通部品だが、ヘッドライトは小型化されるなど全体的にコンパクトな仕上がりとなったのだ。
また91年当時は、大型バイクに乗るには狭き門である限定解除に成功しなければならなかった時代。そのため“カタナ”へのあこがれを実現できたライダーはごく一部であった。そこでもっと多くの人にカタナを楽しんでもらいたい、スズキはそう考え250㏄の開発を実現したのである。
唯一無比の斬新なフォルムに、信頼性の高いメカニズムを搭載。ある種、ライダーの夢を具現化してあこがれをかなえたマシンといえるだろう。
足つき&乗車姿勢
タンデム
SUZUKI GSX250S KATANAの主要スペック
- 全長×全幅×全高
- 2,060×685×1,160(㎜)
- 軸間距離
- 1,435㎜
- シート高
- 750㎜
- 乾燥重量
- 160㎏
- エンジン形式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC並列4気筒・248㎤
- 最高出力
- 29kw(40ps)/13,500rpm
- 最大トルク
- 2.7kgf・m(26.5N・m)/10,000rpm
- 燃料タンク容量
- 17ℓ
- タイヤサイズ
- F=110/70-17・R=140/70-17
- 発売当時価格
- 56万5,000円(税抜き)
Buyer’s Guide
CB400Fourが発売された1991年の出来事
- 東京23区の電話番号が10桁となる
- 宮沢りえ写真集『Santa-Fe』発売
- 湾岸戦争開戦
- 横綱千代の富士引退
- ジュリアナ東京オープン
- 雲仙普賢岳大火砕流発生
- マツダがル・マン24時間レース優勝
- ソビエト連邦崩壊
- バブル崩壊
- ヒット曲、KAN『愛は勝つ』、NIRVANA『Smells Like Teen Spirit』
- ヒット映画、『ターミネーター2』、『ホーム・アローン』
- 流行語大賞『若貴』
※本記事はNo.56(2006年11月24日発売)に掲載された当時の内容を再編しています
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