カタログやメーカーのHPを見ても載っていない、でも街で見かけることもある…。絶版車の中でも“旧車”と言うには古すぎない、1990年代のバイクたち。80年代のバイクブームののち、ネイキッドの登場やストリートブームなど多様化の時代に生まれた“チョイ古”バイクをピックアップ! 現行ラインナップには存在しないミドルクラスのレーサーレプリカ。その最後発としてデビューをかざったRVFは、クラスを超越した圧倒的なパフォーマンスを誇る高性能マシンだった
ミドルクラス最後のレーサーレプリカ
80年代はレース人気も非常に高く、一般ライダーがレースに参戦することも日常化していた。そんな時代のニーズから、よりサーキット指向の強いレーサーレプリカと呼ばれる最新技術を投入したフルカウルマシンが、80年代半ばから次々と誕生する。
そんななか、ホンダは86年にV4エンジンを搭載したVFR400Rを発表し若者を中心に絶大な支持を得る。そして94年にワークステクノロジーを継承したミドルマシン、VFRの後継としてRVFがリリースされた。
そのメカニズムに目を向けると、まず吸排気系を大幅にリファインし、従来のV4独自のトルクフルな出力特性に加えコントロール性の向上が図られた。また、フレームの新設計をはじめとして各部を熟成させ、剛性バランスを見直した。さらに倒立フロントフォークの採用など高性能な足まわりにより、高い旋回・運動性能を得ることになる。
ミドルクラスの域を超越したサーキットスペックを誇る高性能マシンであったが、90年代半ばにはレーサーレプリカ人気も下降の一途をたどる。そんな時代の波にのみ込まれ、VFRほどの脚光を浴びることなく2000年に終焉を迎えるのであった。
デビューが最後発であったこともあり、まさに最後のレーサーレプリカであったが、その高い性能は今も色あせない。誕生した時代に恵まれなかった不遇のマシンなのである。
足つき&乗車姿勢
タンデム
HONDA RVFの主要スペック
- 全長×全幅×全高
- 1,985×685×1,065(㎜)
- 軸間距離
- 1,335㎜
- シート高
- 765㎜
- 車両重量
- 183㎏
- エンジン形式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC V型4気筒・399㎤
- 最高出力
- 53ps/12,500rpm
- 最大トルク
- 3.7kgf・m/10,000rpm
- 燃費(60㎞/h定地走行テスト値)
- 30㎞/h
- タイヤサイズ
- F=120/60-17・R=150/60-17
- 発売当時価格
- 78万円(税抜き)
Buyer’s Guide
RVFが発売された1994年の出来事
- ロサンゼルス大地震
- 英仏ユーロトンネル開通
- 向井千秋さん日本人初の女性宇宙飛行士に
- メジャーリーグストライキ決行
- 関西国際空港開港
- 大江健三郎さんノーベル文学賞受賞
- ヒット曲『恋しさと せつなさと 心強さと』篠原涼子 with t.komuro
- ヒット映画『スピード』
- 流行語「イチロー効果」
※本記事はNo.49(2006年4月24日発売)に掲載された当時の内容を再編しています
CONTACT
- 問い合わせ先
- Hondaお客様相談センター
- 電話番号
- 0120-086819
- URL
- Honda二輪製品アーカイブページ RVF