BRIXTON CROSSFIRE125XS

オーストリアで長年にわたり多くのバイクを設計・開発してきたKSRグループが展開する新ブランド・ブリクストン。その中のクロスファイアシリーズの最小排気量モデル・125XSに試乗した！

文：横田和彦／写真：関野 温

裏山でもアドベンチャーできる！

走るステージを問わないワイルド感ある4ミニ

ブリクストンは、オーストリアに本拠地を置き“ランブレッタ”など、数多くのバイクを手がけてきたKSRグループがリリースする新しいブランド。そのため日本で認知度が広まるのはこれからといった感じだ。新ブランドとはいえKSRグループは今までに多数のバイクを設計・開発してきたノウハウを持っているため、車両の完成度はかなり高い。今回試乗したクロスファイヤ125XSも例外ではなく、車体の細部まで丁寧にに作り込まれている。

 

アップフェンダー＆マフラーやブロックパターンのタイヤなど、未舗装路の走行を想定した作りの車体は、ディテールもワイルドなイメージ。クロスファイヤのアイデンティティである“X”をモチーフにした燃料タンクや、丸型LEDヘッドライトがセットされたライトカウルの形状なども個性的。

 

空冷エンジンはシリンダーが直立していてミッションは5速。アクセルへの反応は良好だ。クラッチをつなぐと力強くスタート。車重は発表されていないが、軽量なのでスタートダッシュはかなり元気。サスペンションもしっかりと機能していて乗り心地もいい。ハンドリングは小径ホイール車ということもあってクイック。しかし不安定さは感じず、ある程度スピードが乗っていても振られるようなシーンはなかった。前後ディスクブレーキにはCBS（コンビブレーキシステム）を装備。タッチや効きは標準的だが扱いやすいため、市街地をキビキビと楽しく駆け抜けていくことができる。

 

せっかくのオフロードスタイルなので未舗装路に持ち込んでみると、かなりイイ感じで走破してくれることを体感。着座位置の関係か後輪にトルクをかけやすいのだ。また滑ってバランスをくずしてもすぐに足がつくという安心感は“もう少し奥まで行ってみよう”という冒険心に火を着けてくれる。これはもうミニマム・アドベンチャーモデルだ。オフロードを走ったことがないビギナーにもダート走行の楽しさを知ってもらうことができるバイクだ。

 

外車でありながら価格が日本メーカーのバイクと変わらないというのも魅力の一つ。スペアパーツなども輸入バイクの取扱歴が長く、ノウハウが豊富な輸入販売元のモータリストが対応してくれるというから安心。クロスファイア125XSは、市街地から未舗装路まで幅広いシーンで楽しめる気軽な“多目的4ミニ”である。

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※記事の内容はNo.255（2023年6月23日）発売当時のものになります