1990年代のチョイ古マシンが今熱い?! Vol.07 SUZUKI SW-1

チョイフル07_スズキSW-1

カタログやメーカーのHPを見ても載っていない、でも街で見かけることもある…。絶版車の中でも“旧車”と言うには古すぎない、1990年代のバイクたちをフィーチャー。スズキのSW-1は、それまでの価値観にはない、まったく新しい独創的な発想・コンセプトから生まれた、まさにセンセーショナルな1台。のちに起こる時代の礎を築いた先駆けだったのだ

ファッション性を追求した新感覚シティコミューター

89年の東京モーターショーでコンセプトモデルが発表され、91年の東京モーターショーでベールを脱いだSW-1は大きな反響を呼び、同年12月から予約受付を開始。それも従来の二輪販売店のみならず、LOFTなどを展開し、若者からの支持を集めていた西武百貨店でも受け付けるという、それまでにはない新たな販売戦略に打って出る。そして発売も翌92年2月という、スピーディーなものであった。

 

車体構成も外観に負けず劣らず個性的。まず一見するとスクーターのようにも思えるが、5速ミッションを搭載したマニュアル車。しかしギヤはシーソー式チェンジペダルを採用し、靴の甲を痛めない配慮がなされている。エンジンは空冷4サイクル単気筒のオーソドックスなもので、駆動方式は静粛性も高くメンテナンスの頻度も少ない、ベルトドライブを採用していた。

 

フロントトランクや両サイドの収納スペースを備えるというライダーのユーティリティ性の高さに加え、ゆったりとしたポジションも大きな特徴。また、広い座面やグラブバー、フットレストを装備することでタンデマーの快適性も考慮されていた。

 

街に違和感なく映えるスタイリングや、気軽に乗れるカジュアルテイストは、のちに一大ムーブメントを起こすストリート系に通じるコンセプト。SW-1は時代の先駆けともいえる存在なのだ。

足つき&乗車姿勢

 

タンデムスタイル
ライダー:前後長のある別体シートのおかげで、タンデマーから受ける圧迫感はない。見た目よりも車体に重さを感じず、安定感があった(身長175㎝/体重74㎏)
タンデマー:シート座面も広くクッション性も抜群。右手で後方、左手では左シート脇のグラブバーをつかめ、スペースの広いフットレストも装備。タンデムするうえで不満な点はいっさい感じない(身長178㎝/体重78㎏)
SUZUKI SW-1の主要スペック
全長×全幅×全高
2,105×840×1,095(㎜)
軸間距離
1,380㎜
シート高
770㎜
乾燥重量
168㎏
エンジン種類・排気量

空冷4ストロークOHC4バルブ単気筒・249㎤

最高出力
14.7kW(20ps)/8,000rpm
最大トルク
20.5N・m(2.1kgf・m)/5,500rpm
タンク容量
10L
燃費(50km/h低地走行テスト値)
50㎞/L
タイヤサイズ
F= 2.75-21・R= 120/80-18
発売当時価格
68万8,000円(税抜き)

Buyer’s Guide

発売から時間が経っていることもあり、外装にキズやサビの目立つ車両が多い。また、販売自体が短命に終わったことから絶対的なタマ数も少なく、程度のいい車両はそれなりの値段になってしまう傾向だ。40万円程度から、高額になると80万円近くする個体も。発売当時は価格の高額さもありそれほど売れたモデルではないものの、その見た目から後に再評価され、おしゃれバイクとして一定の人気がある。

 

SW-1が発売された1992年の出来事

  • 夏期、冬期五輪同年開催最後の年(アルベールビル、バルセロナ)
  • 育児休業法施行
  • 尾崎 豊死去
  • ボスニア内戦勃発
  • PKO協力法成立
  • 星陵高校の松井秀喜が夏の甲子園で5打席連続敬遠される
  • ヒット曲 浜田省吾『悲しみは雪のように』、平松愛理『部屋とYシャツと私』
  • ヒット映画 『紅の豚』『エイリアン3』『氷の微笑』
  • ベストセラー それいけ!!ココロジー編『それいけ×ココロジー』(1・2・3)、シドニィ・シェルダン『明け方の夢』(上・下)
  • 流行語「きんさん・ぎんさん」「ほめ殺し」

※本記事はNo.51(2006年6月24日発売)に掲載された当時の内容を再編しています

 

 

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問い合わせ先
スズキお客様相談室
電話番号
0120-402-253
URL
SUZUKI DIGITAL LIBRARY

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