カスタムマシンかのようなルックスが目をひく
まるでカスタムマシンのような雰囲気を放つスタンダードモデルをラインナップするマットモーターサイクルズ。これまで空冷エンジンのみの展開だったが、水冷エンジンを搭載したDRK-01が登場。その乗り味に迫ります
マットモーターサイクルズ広報さんのオススメポイント
- ツインダウンチューブクレードルフレームはじめ、すべてのパーツが自社で設計され、試作され、テストされた作り手の情熱が詰まったバイクです。
- ビギナー、ベテラン問わず楽しめる力強いトルクを生み出し、6速ミッションと組み合わさってスムーズな走りを提供する新開発の水冷DOHC単気筒エンジン。
- ステンレス製のエキゾーストシステムやCNCアジャスタブルレバーなど、まるでハンドメイドのカスタムバイクのような作り込みがなされています。
DRK-01 250CCのスタイリング
細部までの作り込みが
所有欲を満たしてくれる
マットモーターサイクルズのモデルは、60年代から70年代のクラシックマシンがモチーフとなったビンテージテイストのデザインが特徴的です。創設者がもともとカスタムビルダーであったこともあり、どれもノーマルとは思えないほどスタイリングやディティールにこだわりが感じられます。そして、2024年に新しく発売されたDRK-01も、往年のトラッカースタイルを基本としたシンプルなデザインに、ダークな仕上がりがとてもクールです。それに、フルステンレス製エキゾーストシステムや各部にビレットのCNCパーツを多用していたりと、すでにフルカスタムされたようなスタイルを作り出すパーツをスタンダードで装備しているのも魅力的です。
今回乗ったカラーリングはブラック&ゴールドで、タンクやサイドカバーなど多くのパーツがマット調で、全体的にツヤ感が抑えられているデザインは、よりシックな印象を与えてくれます。また、鋸歯のような形状のリムも特徴的で、なかなか見ないデザインではないでしょうか? 近年はネオレトロでダートトラックレーサーマシンを彷彿とさせるデザインが特徴のバイクが増えてきましたが、その中にあっても、このモデルは独特な存在感があり、流行に左右されないよさを感じます。
カッコよさと美しさを兼ね備えたデザインは、高級感もあるので所有欲とライダーの自己肯定感までも満たしてくれそうです。
車格は、スリムでコンパクトなうえ、車重は166㎏と250㏄ネイキッドらしい軽さだなと感じました。またがってサイドスタンドで停めた状態から直立に起こす時も重さはほとんど感じず、ポジションもアップライトで、肩の力を抜いて自然に乗っていられます。シートは広く、座面がフラットなので乗り降りもラクで、どこに座っても安心感がありました。また、表皮がすべりにくい素材になっていて、走行中にだんだんとオシリが前にずれて座り直すなんてこともないし、スポーツライディングをする時にもポジションが安定します。ステップ位置は少し後ろめで、足を乗せてもきゅう屈には感じません。ただ、足を真下に下ろすと少し足に干渉するかなといった感じです。この馴染みやすいポジションは、乗る人を選ばない懐の深さがあるように思います。あとは、軽くてコンパクトな車体は、Uターンも不安なくこなせて、狭い路地道でも機動力を失わずにスイスイ移動できます。押し引きもラクにできるので、手押しで移動させるのも苦にならず、力に自身のないライダーにとってはうれしいポイントになるはずです。
見た目の印象が強いモデルですが、それだけではありません。今までのマットモーターサイクルズが出してきたモデルはみな空冷エンジンでしたが、このモデルは水冷のDOHCヘッドを採用した新型のシングルエンジンを搭載しています。エンジンのかけ始めは控えめでも、スロットルを回すと元気よく弾むような排気音は、聞いているだけでワクワクしてきます。振動もシングルエンジン特有のドコドコ感がありますが、アイドリング時はそこまで大きく感じず、意識しなければそこまで気にならないといった感じ。
なにより走り出した時のトルクの太さに驚きました。スロットルレスポンスもよく、気を抜くと上半身が置いていかれてしまいそうになるほどパワフル。スペック上では最高出力26psを発揮し、ギヤ比が低めに設定された6速ミッションとの組み合わせで、けっこうな加速力をもたらしてくれます。実際、どの速度域でもスロットルを開けると、開けた分だけ加速してくれるので、ストップ&ゴーの多い街中や、大通りへの合流や追い越しでの機動力は十二分です。80㎞/hくらいまでは快適かつ心地よく乗っていられます。
むしろ加速時の下から突き上げてくるようなパルス感が、高揚感も高めてくれて、バイクを操っている楽しさを倍増させてくれます。ですが、100㎞/h以上での長時間走行は得意ではない印象です。といっても、高速道路でなければそこまで速度を出さないわけですし、250㏄クラスでこれだけ走れるのなら十分満足できると思います。なによりクラシカルな見た目からは想像できないほど、機敏で快活な走りがとても魅力的です。
前後18インチの太いチューブレスブロックタイヤも、高い安定感と乗り心地のよさをもたらしてくれます。フロントタイヤの太さによるステアリング操作の独特さや、ごろつき感があるけれど、慣れてしまえば気にならないし、この独特な操作感を乗りこなす楽しさがあります。クセがある乗り心地や操作感こそが、クセになっていくような中毒性もあっておもしろかったです。ブロックパターンのタイヤを履いているからオフロード寄りのモデルなのかなと思ってしまいますが、オンロードでのグリップ性も不満なく走れました。
サスペンションも、倒立フロントフォークにリヤがリザーバータンク付き2本ショックを搭載していて、今までのマットモーターサイクルズにはない現代的な足まわりとなっています。フロントはしなやかに動いて、ブレーキングした時はとくによく沈み、フロントフォークが動いているのが体感できます。この特性を活かしてコーナリングワークを行なえば、コーナーの進入にメリハリが出てとても楽しいです。リヤは少し硬めでダイレクト感があるように感じました。タンデムをした時に車体が後ろに沈み込みすぎなくていいかもしれないですね。
コーナリングは、素直なハンドリング性に、アップライトなライディングポジションが相まって、安定して走れます。トルクもあるので、立ち上がりもスムーズで気持ちのいい旋回を楽しめます。ブレーキは、このモデルが気持ちよく走れる速度域でならしっかり効いてくれるし、レバーをにぎった分だけ効いてくれるので、コントロールもしやすかったです。
現代的な乗り心地と走行性能を兼ね備えながらもオールドバイクのような見た目を損なわず、細部まできれいにまとめられている点には、カスタムビルダーならではのこだわりを感じました。シンプルでありながらカスタムバイクのような完成度の高いデザインで、街中によく映え、ファッションを楽しむように誰でもオシャレに乗りこなせそうです。そして、日常での扱いやすさと、気軽にフラッと走りに行ける手軽さも両立していて、さらに所有する楽しみも味わえる。ビギナーの入門にはもちろん、ベテランでも十分楽しめる要素が盛りだくさんですし、独自のスタイルと走行性能を求めるライダーにとってピッタリの1台といえるでしょう。
DRK-01 250CCのディテール
DRK-01 250CCの足つき&乗車ポジション
一見、カカトが浮いて足つきが悪そうに見えますが、ステップの後ろに足をまっすぐ下ろせるので安心感があります。ポジションもラクなので、あまり気になりません。街乗りから短距離ツーリングにもぴったりです!
両足をつくと少しカカトが浮く程度。角張っているシートに内モモが当たって、若干足が開き気味になるけれど、車体も軽く支えやすいです。ハンドル位置も高く、気ラクに乗れるポジションです
DRK-01 250CCのスペック
- 全長×全幅×全高
- 2,041×791×1,094(㎜)
- 軸間距離
- 1,364㎜
- シート高
- 795㎜
- 車両重量
- 166㎏
- エンジン種類
- 水冷4ストロークDOHC 4バルブ 単気筒
- 排気量
- 249㎤
- 最高出力
- 20kW(27.2㎰)/9,500rpm
- 最大トルク
- 22N・m(2.2kgf・m)/7,000rpm
- 燃料タンク容量
- 16L
- 燃費(WMTC)
- ─
- タイヤサイズ
- F=120/90-18・R=120/90-18
- 価格
- 84万9,200円
カラーバリエーション
CONTACT
- 問い合わせ先
- ピーシーアイ
- URL
- http://www.muttmotorcycles.jp