HONDA スーパーカブ 110/50

第二特集祝SuperCub世界生産累計1億台達成大特集

No.
188
第二特集祝SuperCub世界生産累計1億台達成大特集

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※公開中の誌面内容はNo.188(2017年11月24日)発売当時のものになります

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スーパーカブ50でコーナリング&街中インプレッション
リヤサスペンションの取り付け部分の変更でコーナリング性能が上がった新型スーパーカブ50

ヘッドライトの丸目化を主軸に、より“スーパーカブらしさ”を追求

それまでの中国から熊本製作所へと生産拠点が移管された新型スーパーカブシリーズ。 目を引くのはやはり丸目ヘッドライトだけど、それだけじゃないメイドインジャパンのこだわりが詰まっていた!

文:谷田貝洋暁/写真:武田大祐

 

日本のどの風景にも溶け込むスーパーカブ

スーパーカブは平和、誰にでもやさしい

バイクに乗ってその感想を文章にする仕事を15年以上しているが、スーパーカブほどインプレッションが難しいバイクもない。スポーツバイクなら、そのスポーツ性を書けばいいし、ツーリングバイクなら、そのバイクとの旅がいかにすばらしくなるかを語ればいい。

 

しかし、スーパーカブは言ってみれば唯一無二の存在。スーパーカブとしか言いようがない乗り味なのだ。

 

だが不思議なのは、どの時代のカブであれ、乗れば“スーパーカブらしさ”を感じられることだ。以前、初期型のC100から、近代のOHCカブ、ポートカブやハンターカブまで、ホンダコレクションホールに収蔵されているいろいろなカブに乗せてもらう機会を得た。時代ごとの進化の具合も非常に勉強になったが、いたく感銘を受けたのは、すべてのモデルから“カブらしさ”を感じられたことだ。初期型だろうが、エンジンのバルブ形式がOHVだろうが、中国製だろうが関係ない。言葉にするのが非常に難しいのだが、小まわり感というか、フィーリングというか、スーパーカブしか持ち得ない独特の乗り味がやはり存在するという確証を得るに至った。

 

ある人は、それがホンダが日本で初めて17インチタイヤを設計したことにあるといい。ある人は、ライダーとフューエルタンク、そしてエンジンなどの重量物がほぼ垂直なレイアウトになることに秘密があるという。もちろん、ホンダの社内にはそのレシピが伝わっているのだろうが、そのレシピのなせる術なのだろう。

 

さてこのカブらしさとはどんなものか? 無理を承知で言語化してみる。

 

それは走らせているだけで口角がだんだん緩んでくる不思議な感覚。ほのぼの感というか、散歩感覚の楽しさである。考えてもみよう。同じホンダでもCBR250RRやCRF250ラリーでブラブラ走っても散歩になることはない。それらでできるのはやはりツーリングだ。でもスーパーカブとなら不思議と散歩が成立する。自転車用語にはポタリングという言葉があるそうだ。自転車でブラブラとあてもなく散歩をすることを指すそうだが、サイクリングとはまた意味合いが違うというところがおもしろい。その散歩がなぜかスーパーカブとなら存分に楽しめるのだ。

 

日本の配達業界を支えるビジネスバイクでありながら、スーパーカブがその枠を飛び越えて多くの人々に愛されるのは、そんなところにあるのでは?

 

などと走る度に考えるのだが、“カブはカブだ”ということ以外、僕自身明確な答えを未だ見付けられていない。

 

スーパーカブ50で街中を走る。やはりインプレッションするにも街中が一番このバイクのことがよくわかる
新型スーパーカブはギヤチェンジの軸を支える部分にベアリングを追加。耐久性が格段に上がっているという

走りはしっかりしたがお散歩感覚は健在

前置きが過ぎたが、新型スーパーカブである。この新しい50も110もモチロンそんなカブらしさにあふれた走りが楽しめたことは言うまでもない。だが110(JA44)の走りには、今回のモデルチェンジですごく感心させられてしまった。

 

車体にものすごく落ち着きがでたように感じるのだ。先代のスーパーカブはハイスピードレンジ(…とはいっても60㎞/hだが)でコーナリングするような場合に、ちょっと不安に感じるようなところがあった。吹けば飛ぶような接地感のなさというか、一度コーナリングを始めたら極力ラインを変えたくない…、そんな場面も多かった。

 

ところがである。新型の110の走りにはなんだかシットリとした安定感が出てるじゃないか。60㎞/hでコーナリングしている最中でも、気軽にラインが変えられる。地面に多少の凹凸があっても、バンクしたままなんなく走り抜けられる安心感がある。

 

原付二種クラスとはサジ加減が難しいクラスだ。ガチガチのスポーティな車体を作ってもエンジンのパワーが追いつかず、モノ足りないマシンができるだけだ。逆にヤワすぎても“なんだかスピードを出したくないなぁ”という、ビジネスライクな、ライダーの遊び心が付け入るスキのない純然たる実用車ができ上がって終わりである。

 

考えてみればばスポーツテイストとビジネステイストの絶妙なバランス、そこにスーパーカブの本質があるようにも思う。だからこそゆっくりと流しているだけで楽しいのだ。こんなマシンが1台あれば、日々の生活に少しだけ笑顔が増えるに違いない。スーパーカブには、人を笑顔にしてくれる小さな幸せがいっぱい詰まっている。

 

基本的な車体構成は一緒だが、タンデムステップがあるのがスーパーカブ110だ
SuperCub110(JA44)
フレーム、足まわりなどの基幹部品は小変更にとどまった。燃料容量も4.3ℓと前作同様。110の実走燃費は通勤で166.1㎞走って58.9㎞/ℓ。かなりアクセルを開けて走ってこの数値。やっぱりカブは燃費がいいのだ

 

スーパーカブ110のスタイリング

 

メイド・イン・ジャパンで耐久性と整備性を徹底追求!

スーパーカブ110(JA44)のディテール紹介

伝統の17インチタイヤは、前後とも110と50で太さが若干違う。50の方が燃費重視の細いタイヤを採用。また今回接地感向上のために、フェンダーに風抜き穴が設けられ、フロントの浮き上がりを防いでいる

シート前部を絞り込んだ形状とすることで足つき性アップ。またウレタン材を軟らかくすることで快適性も改善されている。たしかに新しいカブは疲れにくい印象だ

リヤまわりの安定感向上のために、サスペンションプレートを追加。サスペンションの下側を開いたことでスイングアームの剛性が増しているという

スーパーカブ50(AA09)のディテール紹介

 

左側端30キロ走行していると、50㏄にかせられている、いろいろな無理、矛盾が見えてくる

ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2017年11月11日土曜日

スーパーカブ110との散歩がとても楽しい

SPECIFICATIONS※〔〕内はSUPER CUB 50

全長×全幅×全高
1,860×695×1,040mm
軸間距離
1,205〔1,210〕mm
シート高
735mm
車両重量
99〔96〕kg
エンジン型式・排気量
空冷4ストロークOHC 単気筒・109〔49〕cm3
最高出力
5.9kW(8ps)/7,500rpm〔2.7kW(3.7ps)/7,500rpm〕
最大トルク
8.5N・m(0.87kgf・m)/5,500rpm〔3.8N・m(0.39kgf・m)/5,500rpm〕
タンク容量
4.3L
価格
27万5,400円〔23万2,200円〕(税8%込)
メーカー製品ページ

https://www.honda.co.jp/SUPERCUB/personal/

CONTACT

問い合わせ先
Hondaお客様相談センター
電話番号
0120-086819
URL
https://www.honda.co.jp/motor/

※記事の内容はNo.188(2017年11月24日)発売当時のものになります

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