開発陣に囲まれ違いを研究する
「まだサスペンションの好みとかを言えるほどのライディングスキルがないので、とにかくノーマルに対して挙動の変化がわかるように数値を大きくふってください」
セッティングをどう変えたいですか? と、ゾーンプレスで問いかけてくる開発陣に、僕は一生懸命考えて用意したセリフを伝えた。レース経験もなければ、サーキット経験も浅い。そこで“セッティングによって変わる違い”を知ることに専念することにしたのだ。
ということでサスペンション減衰特性を可能なかぎり軟らかくしてもらって再発進。相変わらずヒザは擦れるし安定しているのだが、先ほどコーナー出口で感じた首振りが少し目立ったような気がしたので、数週して今度は逆に減衰力特性を思い切り硬めにしてもらい、そこから弱めて好みを探っていく。最終的にはデフォルトより少々固いぐらいのレンジが僕的に走りやすいようだ。
加えて、チェンジペダルのタッチの軽さを変えてもらったり、エンジンブレーキに強弱をつけてもらったり。エンジンブレーキは公道ライダー目線としてはもうちょっとだけ効いた方が好みな気もするけど、このあたりはどれが正解なのかは、好みではなくキチンとラップタイムを計ってジャッジした方がいいだろう。
これほどセッティング変更をボタン操作ですぐに変えられるということに驚きが隠せない。今回は操作に慣れてないため開発陣に操作してもらったが、操作手順を見るに操作も簡単。キチンと原理と操作が理解できればモノの数秒でマシンから降りることなく、自分一人でセッティングを煮詰めていく作業ができるハズだ。
このバイク、完全上級者向けかと思ったが、実はまだ自分の走りが定まってない、僕のような一般ライダーの方が、いろいろ試すことで走りを進化させられて楽しめるのではなかろうか。
いやぁ、スーパースポーツは一握りのライダーに許されたバイクかと思ってたけど、一般ライダーでも十分ライディングを突き詰める楽しさが味わえることがわかったぞ!
SPECIFICATIONS※[ ]内はSP、【 】はSP2
- 全長×全幅×全高
- 2,065×720×1,125mm
- 軸間距離
- 1,405mm
- シート高
- 820mm
- 車両重量
- 196[195]【194】kg
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒・999cm3
- 最高出力
- 141kW(192ps)/13,000rpm
- 最大トルク
- 114N・m(11.6kgf・m)/11,000rpm
【113N・m(11.5kgf・m)/11,000rpm】 - タンク容量
- 16L
- 価格
- 201万4,200円[246万2,400円]【302万4,000円】(税込)
メーカー製品ページ
https://www.honda.co.jp/CBR1000RR/
CONTACT
- 問い合わせ先
- Hondaお客様相談センター
- 電話番号
- 0120-086819
- URL
- https://www.honda.co.jp/motor/
※記事の内容はNo.183(2017年6月24日)発売当時のものになります