ライバルたちの大排気量化に対抗すべく、ドゥカティのムルティストラーダにもシリーズ史上最大排気量となる1,262㏄のエンジンを搭載したモデルが登場。スペインにて行なわれた国際試乗会に鈴木大五郎氏が参加してきた。
文:鈴木大五郎/写真:ドゥカティジャパン
ムルティストラーダが最上位機種としてアップグレード
軸間距離が55㎜に延長車格がひとまわり大きく
“10年前には想像もしなかったことが…”なんてことが少なくなくなってきた。バイクで言えば好き嫌い無しの雑食タイプ。小さいものから大きなものまで、オンもオフも…。しかしこのところ、やっぱり歳を喰ったと感じることが増えてきたのも事実だ。
前傾の強いマシンは…、サーキットで短時間なら最高に楽しいけれど、長く乗るのはねぇ…、なんて思うのだ。結果的に、快適性の高いマシンを選ぶように。とくに最近は、アドベンチャーと呼ばれるカテゴリーのマシンがお気に入りである。
これは世界的にも同様の傾向のようで、ライダーの高齢化を嘆く一因でもあるのだけれど、ドンピシャな世代にはうれしいラインナップの豊富さで迎えてくれたりする。
スポーツバイクメーカーであるドゥカティも例外ではなく、ムルティストラーダが同社のベストセラーでもあるという事実にももう驚かなくなった。
しかしこのマシン。単純に流行にのって作られたものではなく、アドベンチャーブームが来る遥か昔の2003年にデビュー。もっともそのころは長足のオンロードスポーツモデルといった出で立ちで、“やっぱり得意なのはワインディングだな!”といった印象だった。
しかし1200となった2010年の水冷モデルより、4 Bikesin 1というコンセプトを掲げ、「スポーツ」「ツーリング」「アーバン」「エンデューロ」の4つのライディングモードとともにそこに適応した走りを披露するようになった。
ここ数年ではオフロードでの走破性が盛り込まれたエンデューロや、弟分でもある950もリリースされたが、ここで元祖でもある1200がブラッシュアップされ1260となって登場した。
見た目はさほど変更がないように思えるが、マシンはひと回り大きくなったようにも感じられる。これはスイングアーム長が48㎜延長され、またキャスター角を1度寝かせたことにより、ホイールベースが55㎜長くなったことも関係しているかもしれない。その他にはフロントサイドカウルやホイールデザイン。液晶モニターが大型化されたことなどがパッと判別できる違い。
CONTACT
- 問い合わせ先
- ドゥカティジャパン
- 電話番号
- 0120-030-292
- URL
- https://www.ducati.com/jp/ja/home
※記事の内容はNo.190(2018年1月24日)発売当時のものになります