Kawasaki ニンジャ650

特集ビギナービッグバイクデビュー
大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線

No.
193
特集ビギナービッグバイクデビュー大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線

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※公開中の誌面内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

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カワサキを代表するニンジャシリーズの現行モデルといえば、250、400、1000…。いやいや、その間にある650をお忘れでは? やる気にあふれたスポーティなスタイルを形成しているが、そのキャラクターはとてもフレンドリーなのだ。

文:濱矢文夫/写真:増井貴光

尖ったスタイルに誰もが惑わされる

カッコよくなっても乗りやすさファースト

ニンジャ650がものすごくカッコよくなっていた。少し丸顔のグランドツアラー風だった前モデルからすると、変身ぶりにびっくり。スーパースポーツを連想させる尖った前後の造形はなかなかだ。人間だったら何かあったのかと心配するレベル。まあ機械なのでそういうものだけど、気になるのは走りがどうなったかだろう。

 

カワサキは4気筒ビッグバイクのイメージが強いけれど、その裏で昔からパラツインエンジンにこだわってきた。辛気臭い歴史の授業は退屈で申し訳ないけど、80年代のGPZ500S、ニンジャ500Rから欧州市場を中心に買い求めやすい身近なスポーツモデルとして売れ続け、それが600になり、近年ではER-6f/n、ニンジャ650R、そしてこのニンジャ650へと脈々と受け継がれてきた。

 

そのどれにも共通していたのが、扱いやすくスロットルを開けるとちょうどいい加速をしてくれるエンジンと、フットワークが軽いハンドリング。初心者からベテランまで楽しめる懐の深さを持ち続けてきた。さて勇ましくなった新しいニンジャ650はどうなのか? 乗って安心。ちゃんと受け継がれている。それどころか、その部分がさらに進化しているではないか。

 

400のパラツインとは明らかに違うのは、トルクの厚みだ。アイドリング付近から蹴り出すように前にグイグイと押し出す。スロットル操作に対しレスポンスはいいが、ギクシャクする動きにならない。だから歩くような速度の連続から、信号ダッシュ、追い越し加速、どんなときでも思ったように動ける。ものすごくパワフルではないけれど、独特のパルス感がありながら、高回転までよどみなくトルクが続いて、なかなか速い。

 

気になったのは、低いギヤのときに6000回転あたりから腕、足、お尻に伝わるビリビリした振動。ただ不快になるほどではないし、常時その回転数を維持することは日常的にそれほどない。そして高いギヤでの高速走行だと、ほとんど気にならなくなる。高回転域で意地悪にギヤダウンしてもスリッパークラッチが働いて後輪はロックせずに何事もなかったよう。回転を合わせてギヤダウンができない入門者にとってはありがたい味方。そんなやさしい部分を意識させないのがニクイ。

 

スーパースポーツっぽいからライダーの姿勢はキツそうに見えるかもしれないが、そんなことはない。米国大統領の言い回しを真似ると、「乗りやすさファースト」だ。そのフィロソフィーは頑なに守っている。高めにセットされたハンドルは手前に絞られて、ほどよい前傾姿勢で手足に余裕のあるポジションだ。

 

走りながら思ったのは、前のモデルより動きが軽快だということ。またがったときから車体が軽いと思っていたけれど、走ると一層感じる。俊敏性が向上している。取り付けられたリヤショックはリンクレスからリンク式となり、速度を上げなくても初期の動きがよく快適で、奥でのしっかり感が出た。ちょっと突っ張るような感じがあった旧モデルより、路面の追従性がよくなり、リヤタイヤがしっかりトラクションする。コーナリングも難しくなく動きの自由度が高い。自然にリーンして旋回できる。何よりスロットルをワイドに開け、気持ちよくコントロールできるスポーツ性能。この使い切れる感じがライディングをおもしろくさせる。もともと好きだったが、もっとカワサキのパラツインスポーツが好きになった。初心者だけでなく、ベテランまで誰にでもオススメできるマシンだ。

 

セパハンでもラクなポジション
セパレートハンドルだけど、トップブリッジの上に装着されていて、グリップ位置は1段高い。乗車するとライダーのおへそより上にグリップ位置がくる感じ。ネイキッドによくあるパイプアップハンドルよりタレ角や手前への絞りがあるので、近く感じ腕の負担も小さいからラクに感じる。スーパースポーツ風ルックスになっても、このライダーに優しいポジションという伝統は健在だ。

Ninja650のディテール

 

Ninja650の足つき&乗車ポジション

身長170㎝/体重69㎏
前傾はまったくきつくないから腰にも首にも負担がかからない。ヒザの曲がりも窮屈でなくポジションの自由度は高い。790㎜のシート高の足つきは、ごらんのとおりかなり良好だ

 

SPECIFICATIONS※[]内はKRTエディション

全長×全幅×全高
2,055×740×1,135(㎜)
軸間距離
1,410㎜
シート高790㎜
車両重量
193kg
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ 並列2気筒・649㎤
最高出力
50kW(68㎰)/8,000rpm
最大トルク
65N・m(6.6kgf・m)/6,500rpm
燃費(WMTC)
24㎞/ℓ
燃料タンク容量
15ℓ
価格
80万7,840円[82万9,440円](税8%込)
メーカー製品ページ

https://www.kawasaki-motors.com/mc/lineup/ninja650/

CONTACT

問い合わせ先
カワサキモータース ジャパンお客様相談室
電話番号
0120-400819
URL
https://www.kawasaki-motors.com/mc/

※記事の内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります

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