特集ビギナービッグバイクデビュー
大型デビューにぴったり!ミドルビッグ最前線
193
※公開中の誌面内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります
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690デューク(18モデル国内未導入)と1290スーパーデュークRの中間モデルとして誕生した790デューク。KTMというと玄人向けの手強いイメージが強いけど、このモデルには、初心者にもオススメできるキチンとした理由があるんです!
文:谷田貝洋暁/写真:関野 温
スロットルレスポンスが変更できて徐々にハードルを上げる修練が可能
790DUKEのスタイリング
READY TO RACE。KTMのマシンを一言で表すならこの言葉に限る。ひとたびアクセルを開ければ、アドレナリンが多量分泌されるような過激なキャラクターこそが、KTMのオートバイすべてに流れるフィロソフィというワケだ。
そんなスパイシーなマシンのどこか初心者向けかって? まぁまぁ話は最後まで聞いてほしい。確かに790デュークは手放しに大型初心者にオススメできるマシンではない。詳細説明カットにも書いたが、オートシフターにスリッパークラッチ、スーパーモトモードのABS。はてはリンクの組み替えで逆シフト操作(※1)にもすぐに変更できる仕様などなど、かなり玄人、しかもサーキットレンジでこそ活きる機能が多数盛り込まれている。
何も考えずにアクセルを開ければ、待ってましたとばかりに地面をかきむしるトルクに、おそらく多くのライダーは操るのに苦労しそうだと感じるに違いない。そのパワーコントロールはスキあらばとにかく前に進みたがる、走り出したがる大型犬の手綱を握っているようなもので、いかなるときも気が抜けない。そんな神経質さがあるのだ。
ただそれは、スポーツモードとトラックモードで走ればの話。実はこのマシンにはドライブモードの切り替え装置がついており、レイン、ストリート、スポーツ、トラックと4種類のモードから選ぶことができるのだ。
その仕組みを端折って説明すると、重要なのはアクセル開度に対するエンジンレスポンスの変更と、最高出力のHI/LOの切り替えである。
実際、試してみるとものすごくキャラクターが変わることに驚く。最高出力がおさえられるとともに、アクセルの吹け上がりがマイルドになるレインモードでは、借りてきた猫のようにおだやかなバイクへ転身するのだ。
考えてもみよう。どんな手練れだって景色を楽しみながらゆっくり走りたいときがあるものだ。どんなワインディング好きだって、峠を集中して満喫したあとの渋滞路では、脱力して走りたいもの。またツーリング好きなら途中で雨が降られてスリッピーな路面を走らなくちゃならないときもある。そんな場面で、バイクの出力特性が尖りすぎていると正直疲れるものである。
そんなときこそ、ローパワーになるとともに、アクセルレスポンスがかなりダルになるレインモードの出番。“READY TO RACE? そんな時代もありましたねぇ。私は日本のバイク並みに扱いやすいんですよ?”と言わんばかりの従順さを見せる。
バイクは高い買い物だ。新車を買ったら、誰もがしばらくは買い替えたくないもの。ただ、人間の技術は乗れば乗るほど向上していくものである。最初の大型バイク選びで扱いやすさを優先するあまり、すぐに物足りなくなってしまったら? それはとても不幸なことだ。
ただそんな場合にも、790デュークが相棒なら、指先でレインモードからストリートモードに切り換えれば万事解決。さらにはスポーツモードとトラックモードも残っているのである。バイクを買い替えることなくステップアップができる。それこそが、790デュークを初心者にオススメする理由だ。
※1 主にレーサーに採用されるシフト形式で、1速→2速への変速は、一般的なギヤチェンジとは逆にペダルを押し下げることで1速→2速→3速とシフトアップしていく
モード切り替えでバイクの難易度が変化
790DUKEのディテール紹介
ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2018年4月11日水曜日
ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2018年4月11日水曜日
790DUKEの足つき&乗車ポジション
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 2,128×823×1,055(㎜)
- 軸間距離
- 1,475±15㎜
- シート高
- 825㎜
- 半乾燥重量
- 169㎏(燃料含まず)
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストローク DOHC 4バルブ 並列2気筒・799㎤
- 最高出力
- 77kW(105㎰)/9,000rpm
- 最大トルク
- 86N・m(8.7kgf・m)/8,000rpm
- 燃料タンク容量
- 14ℓ
- 価格
- 112万9,000円(税8%込)
CONTACT
- 問い合わせ先
- KTMジャパン
- 電話番号
- 03-3527-8885
- URL
- https://www.ktm.com/jp/
※記事の内容はNo.193(2018年4月24日)発売当時のものになります