7月12日発売予定のモンキー125。その生産試作車に試乗する機会を得た。エンジンフィーリングなどの性能的なインプレッションは正式発表を待ちたいが、生産試作車とはいえ、その素性は十分感じることができたぞ!
文:谷田貝洋暁/写真:徳永 茂
7月12日発売のモンキーはグロムとはまったく別モノ!
Monkey125のスタイリング
開発陣には悪いがグロムと比較しちゃうのだ
最初にことわっておきたいのが、今回の試乗車はまだ生産試作の段階で完成車ではないこと。ゆえに“エンジンフィーリングなどの詳細なインプレッションは控えて欲しい”というオーダー付き。そんな条件付き試乗ではあるものの、ユーザー目線で気になるのは、やはりベースモデルのグロムと、どう違うのか? ということだろう。試乗会場となったモンキーミーティングには、試乗車としてグロムや先代モンキーが用意されていたこともあり、キッチリ比較させてもらおう(笑)。
結果から言えば、乗り味から何からグロムとは別物だった。グロムがエンジンをきっちりぶん回して攻めたくなるスポーツモデルであるのに対し、モンキー125は、トコトコと走れるレジャーバイクに仕上がっているのだ。エンジンだけでなく車体然り。モンキー125を試乗したあとにグロムに乗ってみれば、グロムの方が車体がカッチリした硬質感のある乗り味で、かなりスポーティに感じる。いわゆる一般的なスポーツバイクが目指す乗り味に即した走行フィーリングで、それこそジムカーナごっこだって楽しめるほどの攻めたライディングが可能だ。
一方のモンキー125はというと、“レジャー系”と呼ばれる、一般的なオートバイの価値観から逸脱した乗り味。そこで今度は、50㏄の先代モンキーに乗ってみると合点がいくとともに思わずニンマリ。モンキー125には、先代の50㏄モンキーらしさがしっかり継承されていることを感じられたからだ。しかもモンキーらしい“アソビゴコロ”を残しながらも、先代で感じた操安性の危うげな部分をきっちり払拭。排気量アップしたエンジンを積むことを前提にしたキャラクターに進化したのだ。
にわかに新型がグロムベースとは信じられなくなり、開発陣に話を聞いてみれば、ポジション、スイングアームによるホイールベースの大幅短縮、太くクッション性のいいタイヤチョイスなどなど、モンキーらしい“トコトコ感”を演出するため、このあたりにはかなりこだわったところだという。
またおもしろいのは、このモンキー125は、日本国内専用モデルではなく、グローバルモデルとして開発されているということ。開発が行なわれたのはタイ。しかも、開発陣は開発責任者以外は現地スタッフというからこれまた不思議。てっきりモンキーは日本国内だけのモデルだと思っていたのだが…? 詳しく話を聞いてみれば、タイでもモンキーの熱狂的なファンがいて“モンキーショップ”なる専門のカスタムショップがあるほどなんだとか。ホンダのラインナップには、すでにグロムがあるのに、なぜモンキーが? なんて思いながらの試乗であったが、乗って納得、聞いて納得。今回発売されるモンキー125は、タイでの人気も踏まえ、グロムとはまったく違う需要を見込んでの登場だったというワケだ。日本発のモンキーが海外でそこまで人気だったとは知らなかったが、日本人としては非常にうれしい限りだ。
ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2018年4月29日日曜日
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※記事の内容はNo.194(2018年5月24日)発売当時のものになります