盛り上がる国内エンデューロシーンに向けた“Xシリーズ”のトップモデル、YZ450FXがモデルチェンジ。スマートフォンで設定変更可能な出力特性のおかげで、エンデューロデビューがしやすくなった印象だ。
文:谷田貝洋暁/写真:武田大祐
ED専用のよく動く足まわりで難所通過もラクラク!
YZ450FXのスタイリング
より幅広いライダーのニーズに応えるマップ変更
モトクロッサーとエンデューロモデル、このふたつのオフロード競技モデルは見分けがつきにくい。今回紹介するYZ450FXはエンデューロマシン。モトクロッサーのような大ジャンプを跳ばない代わりに、難路に対応するためのしなやかな足まわり&フレームをセット。またエンジン特性も長時間続く競技のため扱いやすく疲れにくい出力特性になっている。外観的には、モトクロッサー比で小さめな18インチのリヤタイヤを採用したりしているが、早い話がサイドスタンドが付いているのがエンデューロマシンだ。
さて試乗会場は、マディ路面となったスポーツランドSUGOのモトクロスコース。正直、試乗としては最悪のコンディションだが、新型のYZ450FXがいかに難路面に対して乗りやすく作られているかは、おかげでいやというほど体感できた(笑)。モトクロッサーでも同じ場所を走ったのだが、FXの方が明らかに進みやすく疲れない。
またこのバッドコンディションのおかげで、今回のモデルチェンジで追加装備された、スマートフォンによるマップ切り換え機能の簡便さもしっかり実感できた。詳しい仕組みは囲みで書くが、やはり泥の中での再発進など、トラクションを得にくく、ライダーが疲弊しているような場合に大きな差が出る。出力設定をマイルドなマップを選べば、ものすごくアクセルが開けやすく、発進がしやすいと感じるのだ。
おかげでこんなフルサイズの450クラスのマシンにも関わらず、ひどいマディ路面だってなんとか走れてしまうのである。これならば車格はともかく、初心者からベテランまで腕に合わせてマップを切り替えるだけで、技術を磨きながらマシンと一緒にステップアップできるというワケだ。
ヤタガイ ヒロアキさんの投稿 2018年8月7日火曜日
燃料の濃さと点火時期を調整 ─新パワーチューナー搭載─
一般的にガソリンの濃度を薄く、点火時期を早めれば、パワーとアクセルへのレスポンスがアップし、逆にすればマイルドで扱いやすいエンジンのキャラクターになる。新型のYZ450FXには、モトクロッサーのYZ450F、YZ250F同様、混合気の濃度と点火時期の変更をスマートフォンのアプリで書き換えられるようになった。アプリ内では、アクセル開度とエンジン回転数に対する設定値を3D化することで視覚的な把握が可能。コース設定や路面コンディションに合わせたセッティングデータを保存しておけば、現場での書き換えも瞬時にできる。また、デフォルトではSTDとマディ路面用の設定が車体にプリインストールされているので、まずはここから好みをセッティングを探っていくといいだろう。
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※記事の内容はNo.197(2018年8月24日)発売当時のものになります