HONDA VTR

特集最新モデルの読み解き方
バイクのジャンルに注目

No.
149
特集最新モデルの読み解き方バイクのジャンルに注目

この企画に登場しました!

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ローダウン化がもたらした走行性能と上質な乗り心地

98年にリリースされてから長年の熟成を重ねてきたVTRが、新たな局面を迎えた。今回のポイントは、ローダウンモデルの登場。これを登場させた経緯については、開発者インタビューで語ってもらっているが、ローダウンモデルを作るにあたり取った手法とは、ズバリ、ラジアルタイヤの採用。タイヤを既存のバイアスタイヤ(140/70)から、より扁平率の低いラジアルタイヤ(140/60)に変更。外径の小さいタイヤを履くことでローダウン化を図った。

ただし、単にタイヤを変更しただけでは車体バランスや操安性などがくずれてしまう。そこで、前後サスペンションのリセッティングを行なうことで、走行性能を損なわずに従来のVTRより20mmシート高が低いローダウンモデルを完成させたという。そしてタイプLDの登場に合わせ、スタンダードタイプとハーフカウルモデルのFにもラジアルタイヤを採用。2モデルに合わせたサスセッティングがなされている。

ローダウンありきの開発ではあるが、そこから進化も生まれた。まず、ラジアルタイヤにより、安定感やグリップ感が向上。タイヤ外径が小さくなったことでローレシオ化され、加速がよくなってもいる。さらに、スタンダードとFに関してはタイプLDとのセッティングの違いから、リヤショックがよく動く柔らかい乗り心地になったという。足つき性のよさに加え、乗り心地や走行性能が向上した新型VTR。足つきに不安のあるライダーはもちろん、ビギナーからベテランまで、幅広い層が楽しめる懐の深いモデルに仕上がっていることは間違いない。

DETAIL

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もともとVTシリーズなどに採用されていた90度Vツインエンジンを搭載。長年熟成されてきただけに、性能、耐久性ともに信頼性の高いエンジンだ

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VTRというと、一番の特徴ともいえるのがしなやかで美しいトラスフレーム。VTRのオーナーの中にはこのスタイルが好きで選んだという人も多い

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丸目1灯の、いかにもバイクらしいスタイルのヘッドライト&フロントまわり。最近ではむしろこういったスタイルのバイクの方が少なくなってきている

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今回のモデルチェンジ最大のポイントなのが、バイアスタイヤからラジアルタイヤへの変更。扁平率が変わり、タイヤ外径が小さくなることでローダウン化を実現させた

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キャストホイールの形状自体に変更はないものの、今回のモデルチェンジにともない、3モデルとも、より上質感のあるブロンズゴールドカラーを採用している

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VTRとFの場合、フロントフォーク長686mmだが、LDは674mmとなり、ストローク長も12mmほど長い。バネレートや減衰力も独自設定となっている

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旧型に比べてストロークが増やされ、その分スプリングレートと減衰力特性を柔らかい方向へ変更したリヤショック。スタンダードとFは上質な乗り心地を獲得

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左右で200gほど軽量化できたという新採用のミラー。形状が流線型となったことで、風の抵抗が少なくなり、テストライダーいわく、ずいぶんハンドリングが変わったそう

SPECIFICATIONS※[]内はType LD、【】内はF

全長×全幅×全高
2,080×725×1,055[1,045]【1,115】mm
軸間距離
1,405mm
シート高
755[740]mm
車両重量
160【163】kg
エンジン型式・排気量
水冷4ストロークDOHC 4バルブ V型2気筒・249cm3
最高出力
22kW(30ps)/10,500rpm
最大トルク
22N・m(2.2kgf・m)/8,500rpm
タンク容量
12L
価格
59万8,320円[60万9,120円]【61万9,920円】

CONTACT

問い合わせ先
Hondaお客様相談センター
電話番号
0120-086819
URL
https://www.honda.co.jp/motor/

※記事の内容はNo.149(2014年8月23日)発売当時のものになります

足つきやバリエーションの比較など、より詳しい情報は本誌でチェック!

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