特集バイクがあればこんなに楽しい
“マスツーリング”の世界
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なんと350万円は激安価格!? 海外を目指すラリービギナーに!
文:谷田貝洋暁
なんせ本物のラリーレーサー。エントリーフィーさえ払えば、ダカールラリーにだって出場可能なマシンだ。こいつのどこが初心者向きかって? …えっと、ダカールラリーをはじめとする海外ラリー“ビギナー”にはピッタリです(笑)。だって破格の350万円ですよ? ラリー出場のために車両製作するとしたら、ベースマシンだけでも100万円。残りの250万円じゃ、ここまでしっかりとしたマシン作れませんって! いやぁ、ビギナー向けバイク雑誌のタンスタに、コイツが登場する日が来るとは思わなかった(笑)。
ラリーレーサーは至高のツーリングマシンだった!
さてその印象は、変にピーキーだったり、パワフル過ぎるところがなく、意外に乗りやすいというのが率直な感想だ。同社のEX-Cというエンデューロマシンベースに、半乾燥重量は140kg(燃料含まず)ととにかく軽い。今回は、33ℓの燃料タンクをフルにして走ってみたんだけど、アドベンチャーツアラーみたいな鈍重さがないのだ。ツーリングの途中、砂地やガレ場を走ったり、丸太で遊んでみたりしたけど、キチンとオフ車の動きををすることにビックリ! ラリーレーサーだから当たり前だけど、思わず「このマシンとならダカールラリー走れちゃうんじゃないの?」と思えてしまう(笑)。気になったのはハンドル切れ角がないことぐらいだけど、ラリーで小まわりする必要はまったくないからね(笑)。
舗装路の走行も思ったよりラク。1速2速あたりはクロスミッション気味でシフト操作が煩雑だけど、6速では高速道路巡航もこなすし、車体に変な不安感のある挙動もない。ツーリングマシンとしておもしろい。燃費も高速道路を200km強走って20km/ℓぐらいと悪くないようだ。
わずかな工具、そしてわずかな時間でここまでバラせる車体。これがKTMの強さだ!
SPECIFICATIONS
- シート高
- 960mm
- 半乾燥重量
- 約140kg
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークOHC 4バルブ 単気筒・449.3cm3
- タンク容量
- 約33L
- 価格
- 378万円
CONTACT
- 問い合わせ先
- KTMジャパン
- 電話番号
- 03-3527-8885
- URL
- https://www.ktm.com/jp/
※記事の内容はNo.157(2015年4月24日)発売当時のものになります
ツーリングの様子など、より詳しい情報は本誌でチェック!