ヤマハ広報担当者が語るオススメポイント
ヤマハ発動機販売の広報
菊地 真由美さん
- ハンドル切れ角51度で取りまわしやすい
- 133㎏※の軽量な車体で引き起こしラクラク
※基本車SEROW250の数値
- 少々倒したぐらいでは壊れない設計!
- アクセルの開け方しだいで抜群の燃費
セローは初心者の味方として30年以上現役で活躍!
ツーリングセローのスタイリング
ビギナーになぜセローは人気なのだろうか?
オフロードバイクのカテゴリーに限らず、バイクのエントリーモデルとしても長年親しまれているセロー250。しかし、その本来の成り立ちは、山中の獣道を二輪ニ足で進んでいくような“マウンテントレール”用のマシンというところにある。“マウンテントレール”とは、セローが登場した1985年に当時の開発陣がアメリカから日本国内に持ち込んだ遊びで、現代の言葉に言い換えれば“アタックツーリング”という言葉が一番近いかもしれない。いずれにせよ林道よりもさらに険しい、テクニカルなシングルトレール道を進んでいく遊びであることに違いはない。そんなハードに思えるキャラクターが与えられたオートバイであるはずのセロー250がなぜここまでエントリーモデルとして愛されるようになったのだろうか?
やはりそれは第一に、オフロードバイクならではの軽さが挙げられる。ライダーがバイクの上で体を動かしてバイクをコントロールする場面が多いオフロード走行。ライダーの体重に対してバイクが軽ければ軽いほどマシンのコントロールがしやすくなるため、オフロードバイクはスリムで軽いものと相場が決まっている。セロー250も御多分にもれず、燃料満タンでも重さは133㎏。オフロードバイクとしても抜群に軽い…、とはいえないものの、それでも同排気量のロードスポーツバイクに比べれば、少なくとも10㎏、比較モデルによっては30㎏以上軽い。軽ければそれだけ取りまわしもラクだし、もしものときの引き起こしでも、かなり有利というワケだ。
次なるビギナーへのストロングポイントは足つき性だろう。ある程度バイクに慣れてくると上半身でバランスがとれるようになり、足つきの善し悪しはそれほど気にならなくなるものだが、バイクに慣れない初心者のうちはとにかく足つきが気になるもの。ただオフロードバイクは総じてシートが高いもの。というのも、デコボコした路面からの衝撃をいなすため、オフロードバイクには大きなストロークを持つ長いサスペンションが必要になる。加えて乗り越えた段差でお腹を擦らないために最低地上高も大きめに確保しなければならない。きわめつけはコントロール性。オフロードバイクをシッティングでコントロールする際、ライダーは前後左右に上半身を動かしてバランスをとりながら走ることになる。このときにバイクの重心から荷重コントロールの入力点が遠い方…、つまり座面は高い方が、より少ない動きでバイクを操作したり、抑え込んだりがしやすくなる。跳んだり跳ねたり競技性が高いオフロードバイクほど、シートが高くなるのはこのためだ。
一方のセローはというと、マウンテントレールという特殊な用途への適性を上げるため、オフロードモデルとしてはとても低い830㎜という高さにシートが設定されている。難所で足をつきながら進んだり、斜面など足元が悪い状況でバイクに乗降しやすくするためにシートを低くした経緯があるのだが、総じて言えることは走行時の操作性を確保する一方で、難所での足つき性も考慮したということだ。
軽くてスリムなオフロードバイクでありながらシート高が低い。これらの要素はすべて難所で扱いやすくするために与えられたものだけど、難所で扱いやすいバイクを街中などの平坦な場所で乗ったら、もっともっと扱いやすく感じるのは当たり前のこと。これこそがセローが長年に渡りビギナーに好まれる理由だろう。
また、別の角度からセローのビギナー適正を探ってみよう。実はセローはとても壊れにくい。そもそものオフロードバイクにしたって、少々転んだぐらいでは、フェンダーに傷がついたり、レバーやペダルが少々曲がったりしても、走行不能にならないような工夫が随所にほどこされている。しかし、セローはオフロードバイクのなかでもとりわけ転倒に強く作られているといえる。なぜならセローが目指すのは、それこそ転倒が日常茶飯事のマウンテントレールという世界。ちょっとやそっと転んだぐらいで壊れてしまって、山中で動けなくなってしまうようでは一大事である。ヘッドライトのまわりにはグラブバーをかねたガードが取り回され、後部のウインカーまわりも、グラブバーでガードされている。そもそものウインカーにしたって、ある程度以上の力がかかると、折れずに抜けるような仕組みになっていたりする。
つまりは、運転に慣れないビギナーがフラフラっとなって立ちゴケしたりしたくらいでは壊れてしまわないような頑丈さを備えている。あまりに壊れなさすぎてなかなか買い替えるライダーが少ないなんてメーカー泣かせな話もよく耳にするが、それは信頼性の裏返し。我々ライダーにとってはとてもうれしいことである。
実は今回の試乗でも一発ガシャンと立ちゴケさせてしまったが、すり傷以外の目立った損傷は皆無。その後、何事もなかったかのように走り出すセローがなんと誇らしく思えたことか。
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※記事の内容はNo.200(2018年11月24日)発売当時のものになります