タイのバイクメーカー“GPX”のネオクラシックモデル・ジェントルマン。スタイルや装備などバイク熱の高い彼の地で生まれたモデルらしい手が込んだもの。そんなジェントルマン200のディテールを紹介していこう。
文:濱矢文夫/写真:関野 温
スタイリッシュで個性的!そしてリーズナブルなのが魅力!!
ジェントルマン200のスタイリング
光るところがあるからつい贅沢を言いたくなる
シートも含めて車体全体が低く、それに前傾姿勢のライダーが寄りそうように乗るので、走っているときの一体感がある。このおかげもあって乗り手の入力に反応して軽快に動く。ものすごく高性能な足まわりではないけれど、エンジンから出せる加速と速度に対して足りなく感じることはない。“スポーティ”という表現ができる動きだ。
コーナーでは前後17インチホイールを履いたハンドリングはすごく素直で旋回性も十分。ちゃんと走りを楽しめる。前後タイヤの接地感も把握しやすく、コーナーリングの自由度も高い。フロントブレーキは最初だけやや唐突に効いて少しつんのめるようになるけれど、フォークは突っ張らず、ちゃんと沈んでタイヤを地面に押し付けて強い制動をかけても不安はない。乗る前はスタイル重視のシティランナバウトだと思っていたが、高速道路での直進性と安定性も悪くなく、ツーリングも含めて多用途でちゃんと使えそうだ。ビギナーでも扱いやすいだろう。
ただ“エンジンがもっとシャキっとしてくれたら”と思ってしまった。長年バイクに乗ってきた経験もあり“スロットルレスポンスが曖昧”と感じてしまったのだ。どこまでもフラットなトルクなのでギクシャクしにくい反面、加速感がちょっと希薄だ。197㏄単気筒だということを考慮しても、もう少しスロットル操作に対してハッキリ応えてほしい。誤解されないように言うけれど、別に遅いとか、クルマの流れについていけないとかはない。高速道路で流れるクルマに混じって、ときには追い越し車線に出られるほどの速度は出るので困ることはない。
個性的なスタイルと、ほどよい前傾姿勢でフィット感もいい。軽快で思うように曲がれるハンドリングはコーナーも楽しい。車両価格を考えると、なかなかよく仕上げた1台だと思う。だからこそ“エンジンの作り込みをもうちょっとがんばってくれたら”と贅沢が言いたくなるのである。
ジェントルマン200のディテール
ジェントルマン200の足つき&乗車ポジション
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 2,020×790×1,160(㎜)
- 軸間距離
- 1,400㎜
- シート高
- 800㎜
- 車両重量
- 160㎏
- エンジン型式・排気量
- 空冷4ストローク単気筒・197㎤
- 最高出力
- 8.4kW(11.5㎰)/7,500rpm
- 最大トルク
- 13.1N・m(1.34kgf・m)/7,500rpm
- 燃料タンク容量
- ─ℓ
- タイヤサイズ
- F=110/70-17・R=140/70-17
- 燃費(WMTC)
- ─㎞/ℓ
- 価格
- 36万1,800円
CONTACT
- 問い合わせ先
- GPXジャパン
- 電話番号
- 050-1746-2535
- URL
- https://www.gpxjapan.co.jp
※記事の内容はNo.204(2019年3月23日)発売当時のものになります