普通二輪免許で乗れるアドベンチャーモデルがイメージをそのままアドベンチャー性能をアップ! 取りまわしやすいサイズ感と力強いエンジン特性で道を選ばないツーリングがより身近になった。
文:横田和彦/写真:関野 温
アドベンチャーモデル“らしさ”が向上した!
400Xのスタイリング
ホイールサイズの変更が走るフィールドを広げる
近年、注目度が高まっているのがアドベンチャーモデル。舗装された道路から不整地まで幅広いフィールドを走れるよう、オンロードモデルとオフロードモデルの中間的な装備を持っている。一昔前は欧州など海外での需要が高かった。しかし快適に長距離を走れるように設計されていることからロングツーリング好きのライダーなどに注目され、日本でも人気が上昇。海外市場が中心だった頃は大排気量車が多かったが、最近はミドルクラスのアドベンチャーモデルも続々と登場。着々とユーザー数を増やしている。
初代400Xがデビューしたのは13年のこと。フルカウルスポーツのCBR400R、ネイキッドのCB400Fと共通のエンジンやフレーム、足まわりを使ったクロスオーバーモデルとして登場した。つまりスタイルこそアドベンチャーだが車体構成はほぼロードモデルだったのだ。それでも多く売れたのはロングツーリングに適したアップライトなポジションや高い防風性、前後17インチタイヤによる走り、そして取りまわし&足つき性の容易さなどが評価されたからであろう。
人気があったこともあり400Xは単体モデルとして進化していく。16年には外装デザインを一新すると同時にスクリーンを大型化。LEDヘッドライトの採用やサスペンションのセッティング変更など各部を熟成。かなりアドベンチャー色が濃くなった。そして今回のモデルチェンジではファン待望の改良がほどこされたのである。
ひとめ見て感じたのは“風格が増したな!”ということ。その理由は主にフロントに19インチタイヤの採用だ。そして、このフロントタイヤのサイズアップは待ちわびていたユーザーも多いはず。フロントタイヤが大きくなることのメリットは、不整地での走破性が高くなること。走る道を選ばないアドベンチャーモデルには適している装備なのだ。
またがると、わずかに高くなったシートとスクリーンのおかげで大型バイクに乗っている雰囲気。といっても車重は先代と変わっていないので支えるのは苦にならない。幅が広めのハンドルはファットバーになり見た目の頼もしさも向上。新たに採用されたアシストスリッパークラッチの効果は絶大で、レバー操作は250㏄並。いや、もっと軽いかも。これなら丸一日操作していても疲れなさそうだ。
吸排気系が見直されたパワーユニットはツインらしい排気音とともに大柄な車体を低回転域から力強く加速させてくれる。この並列2気筒エンジンはクルージング性能にもすぐれていて長距離走行も得意。19インチのフロントタイヤは直進安定性が高いうえに外乱にも強いので、ライダーの体力が消耗しにくいというメリットがある。
ワインディングでは車体のバンクに対して前輪がわずかに遅れて寝るような感覚があったが、ラインを外すほどのものではない。切り返しも幅広のハンドルを使うことで軽く決まる。なによりうれしかったのはフラットダートを走ったときの感覚。走破性が向上しているのでハンドルが取られにくいのだ。これなら林道の奥にある観光スポットにも行ってみようという気になる。
フロントホイールの大径化やスクリーンの大型化などによって旅バイクとしての充実度が高まった400X。大排気量アドベンチャーモデルと遜色のないタフな作りと、それより軽快な走りと取りまわし性の融合は、ツーリングの可能性を大きく広げてくれる。
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※記事の内容はNo.205(2019年4月24日)発売当時のものになります