SUZUKI KATANA

特別企画タンスタ的春の新車祭り

No.
205
特別企画タンスタ的春の新車祭り

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※公開中の誌面内容はNo.205(2019年4月24日)発売当時のものになります

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SUZUKI KATANA 走行

 

あのカタナが19年ぶりの復活を遂げた。それは、あのスタイルを現在的に再現するのみならず、今日的に洗練された走りを具現化。カタナのスタイルをベーシックスポーツとして楽しめるものであった。

文:和歌山利宏/写真:スズキ・編集部

装備もアクセサリー類も充実の新生カタナ

KATANAのスタイリング

 

新しいカタナはターゲットを広げたのか

新しいカタナが発表されたのは、昨秋ドイツで開催されたケルンショー=インターモトでのことであった。興味津々でスズキのブースに置かれた車両にまたがったのだが、大いに意外で驚かされたことがあった。それはライディングポジションについてである。

 

振り返ると、同じケルンの会場において29年前に発表された初代カタナは、それはもう強烈な個性を放っていたものである。

 

ハンス・ムートによる奇抜なデザインもさることながら、ライポジも個性的であった。後方に腰を引いて座り、当時の市販車としてはあり得ないほど後方にあるステップに足を引っかけ、前方低くにあるハンドルグリップに手を伸ばす。そんなスパルタンなオールドスタイルのカフェレーサーぶりに、度肝を抜かれたものだ。

 

走っても、それにはカタナのネーミングに相応しい切れ味があった。はっきりいってマニアックで、誰もが気安く食指を動かすようなバイクではなかったといって差し支えない。

 

もちろん、マニア層に支持され、欧州での販売を終了してからも、94年以降、国内では随所に改良を受けた再販モデルが数年に渡り市販されてきたわけだが、そうしたマニアックでスパルタンなカタナに対するイメージは変わることがなかったと思う。

 

それだけに、新生カタナのアップライトで快適なライポジは意外であったというわけだ。ベースモデルとなったGSX-S1000よりも着座位置が前方にあり、ハンドルは高くてワイド。80年代初期までの普通のビッグバイクであるかのようなたたずまいである。これって、本当にカタナと呼んでいいものだろうか。そんな想いまでよぎったものである。

 

だけど、いくばくもなく僕はそれに納得し、妥当な方向性であると考えるようになっていた。僕自身が常々、主張しているように、バイクとはもっと人間の日常生活に近い存在であるべきであり、そうでないと増々バイク離れが進むのはないか。非日常的ハイパーマシンも僕は好きだが、やはりベーシックも必要ではないか。そう考えると、新しいカタナは、歓迎すべき存在のはずである。

 

ただ、単なる普通のありきたりのバイクだったら、魅力に欠ける。多くの人があこがれたスズキのアイデンティティでもあるカタナのスタイルをまとうことで、人々は誇れる気持ちを抱けるとともに、ホッとした気持ちもに浸れるのではないか。

 

今、新しいカタナが注目を浴びていることにも納得させられるのである。

 

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※記事の内容はNo.205(2019年4月24日)発売当時のものになります

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