ロー&ロングの車体に、ハイパフォーマンスなデスモドロミックL型2気筒エンジンを搭載し、ドゥカティの新しい姿を提案したディアベルが新しくなり「ディアベル1260」となった。ここでは、その新型車を紹介する。
文:河野正士/写真:ドゥカティジャパン
ドゥカティらしさにあふれた新しい解釈のネイキッドバイク
DIAVEL1260 S のスタイリング
フルモデルチェンジで走りも快適性もアップ
ディアベルとしては、2010年のデビュー以来初のフルモデルチェンジ。またディアベルファミリーでは初めて、オーリンズ製サスペンションを採用した“S”をラインナップした。今回試乗したのは、その“S”のみだったが、上質なサスペンションの動き以上に、エンジンと車体の的確で明確なバージョンアップと、それによって生み出された上質で、なおかつスポーティな乗り味が印象的だった。
エンジンは、可変バルブタイミング機構を持つデスモドロミックDVT1262を新たに採用。初代ディアベル同様、ウォーターポンプをシリンダーの谷間に隠し、車体両サイドからは冷却用ホースが見えない専用エンジンだ。
ライディングポジションも、初代から引き継がれた。グリップ/シート/ペダルが作り上げる三角形は前モデルから変わっていない。シートのほぼ真下にペダルがあるポジションは、日本でいうところのビッグネイキッドバイク的で、そのライディングポジションこそが初代から変わらぬ“ディアベル”らしさでもある。このあたりは “クルーザー”としてカテゴライズされる兄弟モデル・Xディアベルと大きく異なる部分だ。
エンジン同様の大きな変化は、フレームとスイングアームにもおよんでいる。フレームは、スチール鋼管を組み合わせたトレリスフレームがエンジンからステアリングヘッドに伸び、新たにエンジンをフレームの一部として使用する。さらに初代では車体両サイドに配置していたラジエターを、一般的なエンジン前に移動。ラジエターの冷却効率を高め、エンジンの耐久性向上と長いメンテナンスサイクルの維持を実現している。そして移動したラジエターによってエンジンは前モデルより40㎜も車体後方にマウント。初代ディアベルはもちろん、エンジン長が長いL型エンジンを可能な限り車体前方に搭載し、フロント荷重を稼ぐことでスポーツ性を高めてきたこれまでのドゥカティとは、違う考え方で車体が構成されている。
しかし、ディアベル1260では、クルーザーのような快適性と、ビッグネイキッドのようなスポーツ性が共存している。スポーツ性に関しては、エンジンが後退しライダーに近づいたこと、さらには前後サスペンションをしっかりと動かすことで、今まで以上に高められている。当然、この素直なハンドリングとポジションは、ツーリングにも向いている。
それを加味しながら、この新ディアベル1260Sのオーナー像を想像すると“まさにツーリングとスポーツライディングを堪能している、ビッグネイキッドライダーではないか”と思う。初めてのドゥカティとしても、お勧めできる1台だ。
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※記事の内容はNo.205(2019年4月24日)発売当時のものになります