新たなストリートブランドとなるCABALLERO(キャバレロ)を立ち上げたイタリアの老舗バイクメーカー・ファンテックが日本に上陸。スタイリッシュで高品質のスクランブラー250に試乗したぞ!
文:横田和彦/写真:岩崎雅考
イタリアン・スクランブラーが日本デビュー
キャバレロ スクランブラー250のスタイリング
キッチリ作り込まれ走りのクオリティも高い
イタリアの老舗バイクメーカー“ファンティック”が新たに立ち上げたストリートブランド“キャバレロ”が日本に上陸した。ファンティックは1968年にイタリアで創業されたバイクメーカー。75年にはモトクロスのワークスチームを結成し世界選手権で数多くの好成績を収め、その後トライアル世界選手権でも3度の世界タイトルを獲得している。高品質・高性能なバイクを開発するメーカーだったが、販売戦略の読み違いなどにより3回の会社再建を余儀なくされている。その影響もあり日本では一部のマニアにしか知られていないメーカーであった。
そのファンティックが製造するマシンを、ビーコムやランブレッタなどで有名なサインハウスが輸入・販売。スクランブラーは同じ車体に125/250/500㏄エンジンを搭載したモデルがリリースされるという。今回はその中の250に試乗した。
赤いタンクと黄色いゼッケンプレートのコントラストが目を引く車体デザインはスタイリッシュという表現に尽きる。これは他機種の流用ではなく、最初からスクランブラーモデルとして専用設計されたから。アップタイプの2連サイレンサーもスマートに収まり、外装類の形状から寸法、配置まですべてがセンスよくまとまっている。
スリムな車体にまたがると、ややハード気味だがしっかりと減衰が効いているサスペンションに好感を持つ。柔らかすぎると走りもユルくなりがちだけど、コイツは大丈夫そうだぞ。エンジンをかけると単気筒らしい歯切れよいサウンドが響く。始動直後、暖まるまで若干不安定だったが、一度走り出せばその後は安定していた。
エンジンのレスポンスはとてもシャープ。アクセル操作に対応するように後輪が路面を蹴飛ばし、軽量な車体を押し出してくれる。低~中回転域から盛り上がっていく適度なトルク感と吹け上がりのバランスがとてもよい。排気音を楽しみながら、軽量な車体をイキイキと走らせるのは快感だ。
最初の印象どおりサスペンションの動きはしっかりし、車体の挙動も明確。ピボット部にアルミ削り出し部品を使って車体剛性を高めていることや、スイングアームが長めなのも関係しているのだろう。ハンドリングは軽快で切り返しもスパッと気持ちよく決まる。車体設計が高いレベルで行なわれていることを感じさせてくれる走りだ。
街角に停めているだけで絵になるほどスタイリッシュなスクランブラーモデルで、ストリートをさらっと流す。それだけで極上の気分になれるファンバイクだといえよう。
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CONTACT
- 問い合わせ先
- モータリスト
- 電話番号
- 03-3731-2388
- URL
- https://caballero.jp
※記事の内容はNo.205(2019年4月24日)発売当時のものになります