DUCATI スクランブラー カフェレーサー

文：岩崎雅考／写真：武田大祐

コンパクトなポジションが車体との一体感を演出する

SCRAMBLER CAFE RACERのスタイリング

 

スタイリッシュでかつフレンドリーな乗り味

別のインプレッションで紹介するアイコンに先に乗ってから、このカフェレーサーにまたがったのだが、そのポジションの違いにあらためて感動させられた。ベースは同じながらここまで違うんだと。そしてポジションが変わったことで、その乗り味も明らかにスポーツモデルという印象なのだ。

 

実際の乗り味については、意外とドコドコ感がないなというのが第一印象で、そのフィーリングが低速での扱いやすさへとつながっている。コンパクトにまとまったライディングポジションによって、車体との一体感があり、さらにスポーティさを演出するシートが積極的な体重移動を助けてくれる。その結果、ライダーにはバイクを扱いきれている感が生じるのだ。

 

そんな車両だからこそ、若きビギナーに乗ってほしいと感じた。そのコンパクトな車格によって、気負うことなく気軽に乗り出すことができ、いざ走り出せばバイクに乗せられているのではなく、乗れているという感覚が、さらにバイクを楽しいものへとしてくれる。もちろんこのフィーリングは、さまざまなバイクを乗り継いだベテランライダーをも十分に楽しませてくれることだろう。

 

そしてその乗り味とともに魅力的に映るのが、その洗練されたデザインである。キャストホイールを使わず、あえてワイヤースポークホイールでクラシカルさを演出。こういったエスプリこそがスクランブラーらしく、そしてイタリアンだと感じさせてくれる。

 

そんなおしゃれなバイクを若者が颯爽と乗り回している姿を見られる日が早く来てほしい。

 

SCRAMBLER CAFE RACERのディテール

 

SCRAMBLER CAFE RACERの足つき＆乗車ポジション

 

SPECIFICATIONS

全長×全幅×全高

2,090×875×1,066（㎜）

軸間距離

1,436㎜

シート高

805㎜

車両重量

196㎏

エンジン型式・排気量

空冷4ストローク 2バルブL型2気筒・803㎤

最高出力

54kW（73㎰）/8,250rpm

最大トルク

67N・m（6.8kgf・m）/5,750rpm

燃料タンク容量

13.5ℓ

燃費（WMTC）

─

タイヤサイズ

120/70-17（F）・180/55-17（R）

価格

142万5,000円

SCRAMBLER CAFE RACER 製品ページ

※記事の内容はNo.206（2019年5月24日）発売当時のものになります