文:岩崎雅考/写真:武田大祐
これまでの生活域から一歩飛び出してみたいという気持ちにさせる1台
SCRAMBLER ICONのスタイリング
コンセプトに沿って正常進化をはたす
単体で置かれていると、従来モデルとの差が感じられないけれど、乗ってみればその差がはっきりわかる。一番の差は、ピッチングモーションが抑えられたことだろう。フロントフォークの踏ん張りが効くようになり、フロントでハードなブレーキングをしても、沈み込まなくなったのだ。もちろん沈みこませて旋回するような走り方が好きなライダーもいるだろうけれど、いわゆる普通に街中を走るライダーはそこまでを要求することはない。さらにシートもコンフォートになった印象で、これなら長時間のライディングでもしっかりとライダーを支えてくれそうだ。まさにラクに乗れる方向への進化。そういった意味で、今回のモデルチェンジはスクランブラーのコンセプトに沿って正常進化しているといえるだろう。
アップライトなポジションによって気軽にまたがり、さらに気負うことなく発進できる。そして、ドゥカティのLツインらしいドコドコしたトルクフルなエンジンを予想すると拍子抜け感のあるエンジンフィーリングは、逆に低速での扱いやすさへとつながっているのだ。
ハンドリングは18インチフロントホイールと幅広かつアッパー気味なハンドルによって、ライダーの意思にニュートラルでかつ安定感があるといえる。前項で紹介したカフェレーサーがコンパクトなポジションだったのに対し、スクランブラー然としたアップライトなポジションは、普通に街中を走るだけでは物足りなくなり、その一歩先の世界に行ってみたいという気持ちにさせてくれるのだ。
SCRAMBLER ICONのディテール
SCRAMBLER ICONの足つき&乗車ポジション
SPECIFICATIONS
- 全長×全幅×全高
- 2,100×855×1,150(㎜)
- 軸間距離
- 1,445㎜
- シート高
- 798㎜
- 車両重量
- 189㎏
- エンジン型式・排気量
- 空冷4ストローク 2バルブL型2気筒・803㎤
- 最高出力
- 54kW(73㎰)/8,250rpm
- 最大トルク
- 67N・m(6.8kgf・m)/5,750rpm
- 燃料タンク容量
- 13.5ℓ
- 燃費(WMTC)
- ─
- タイヤサイズ
- 110/80-18(F)・180/55-17(R)
- 価格
- 110万5,000円(62イエロー)
112万円(アトミック・タンジェリン)
CONTACT
- 問い合わせ先
- ドゥカティジャパン
- 電話番号
- 0120-030-292
- URL
- https://www.ducati.com/jp/ja/home
※記事の内容はNo.206(2019年5月24日)発売当時のものになります