文:和歌山利宏/写真:インディアンモーターサイクル
インディアンが提唱するアメリカンスタンダード
FTR1200Sのスタイリング
今日的に高水準化されたなににでも使えるバイク
アメリカのインディアンから放たれたFTR1200が注目を集めているが、ひょっとすると、このバイクについて、あやまった認識がはびこっているのかもしれない。
インディアンは17年からアメリカ伝統のフラックトラックレースにワークスマシンFTR750で参戦、2年連続でタイトルを獲得しているだけに、タイミングよく市販車として登場したFTR1200は、そのレプリカとしてとらえられているフシがあるみたいなのだ。
確かに、スタイリングはトラッカーそのもので、大変に魅力的だ。しかし、市販FTRはワークスFTRとはまったくの別物で、搭載されるエンジンはスカウト用がベースなのだ。
すると、インディアン既存のエンジンを使って、トラッカーイメージにでっち上げたというのか。それはまったくもって違う。
ストリートスポーツとして最適化するため、フレームをトラスタイプとし、エンジンはクランクケースの形状やマウント方式まで変更され、当然、性能的にも強化されている。
ならば、トラッカーのスタイリングをまとったストリートネイキッドということなのか。それも違う。
なぜなら、これにはフラットトラッカーのDNAが注入されているからである。前後輪径は19/18インチ、前後のサスペンションストロークは150㎜と長大で、荒れた路面をものともせず、ライダーの感性に合ったリズムでコーナリングできる。また、燃料タンクをシート下にかけて設置し、スリム化とマスの集中化が図られていて、トラッカーらしい運動性も発揮してくれる。
おかげで、今、注目のスクランブラーやアドベンチャーのいいところの恩恵にも預かり、ワイドレンジに楽しめる。今日的なオールマイティ車というわけだ。
FTR1200Sのディテール
FTR1200Sの足つき&乗車ポジション
SPECIFICATIONS(1200S)
- 全長×全幅×全高
- 2,286×850×1,297(㎜)
- 軸間距離
- 1,524㎜
- シート高
- 840㎜
- 車両重量
- 235㎏
- エンジン型式・排気量
- 水冷4ストロークDOHC V型2気筒・1,203㎤
- 最高出力
- 89.4kW(121㎰)/8,250rpm
- 最大トルク
- 115.2N・m(11.7kgf・m)/6,000rpm
- 燃料タンク容量
- 12.9ℓ
- 燃費(WMTC)
- ─
- タイヤサイズ
- 120/70-19(F)・150/80-18(R)
- 価格
- 209万9,000円※レースレプリカは236万4,000円
CONTACT
- 問い合わせ先
- ポラリス ジャパン
- URL
- https://www.indianmotorcycle.co.jp
※記事の内容はNo.206(2019年5月24日)発売当時のものになります