ランニングコストにすぐれた原付二種に新たなイタリアンバイクがデビュー。コンパクトな車体に元気よく吹け上がる単気筒エンジンを搭載した、軽快なストリートマシンだ!
文:横田和彦/写真:南 孝幸
小粋なイタリアン・スクランブラー!
ティクアトロ125スクランブラーのスタイリング
オシャレで軽快なイタリアン・コンパクト
近年、各メーカーからニューモデルが続々と投入され、活性化している原付二種クラスに新たなモデルが加わった。1950年代にイタリアで生まれたバイクメーカー“イタルモト”がリリースするティクアトロ125スクランブラーだ。今年3月に行なわれた東京モーターサイクルショーで初めて展示されたのだが、そのオシャレな外観とコンパクトなサイズが評判となった。そして今回、ついにその話題のマシンに試乗することができたぞ!
実車を目の前にすると思っていた以上に低くコンパクトなことに驚く。前後17インチホイールでありながらこのサイズなら取りまわしも楽々。とっつきやすさは小柄なライダーにとっても嬉しいこと。125㏄クラスのメリットを最大限に活かしている感じだ。
そして目を引くのはレトロな雰囲気のルックス。広めのバーハンドルやヘッドライトのガード、サイドカバーの横を通るアップマフラーなどスクランブラーの名にふさわしい装備や後ろ下がりのシルエットは、近年流行りのネオクラシック路線である。これはなかなかカッコいい。各部の作りもしっかりしていてチープさは感じない。
またがるとスリムでニーグリップがしやすいことを実感。丸型メーターの中にはアナログ式のタコメーターとデジタル表示のスピード&ギヤポジションインジケーターが上下に並んでいて、非常に見やすくて便利。またフューエルインジェクションや前後コンビブレーキなども含め、装備が最新であることは安心感がある。
セルボタンを押すと元気な排気音を響かせながら単気筒エンジンが目を覚ます。歯切れのよいシングル・サウンドに気持ちも盛り上がる。軽い操作のクラッチレバーを握りギヤを入れゆっくりとつないでいくと、あまり回転を上げなくても“トトトトッ”と走り出す。これは125㏄ながらしっかり低速トルクがあるエンジン特性と、それを有効に活かせる軽量な車体があってこそ。その軽さはハンドリングにも影響していて“曲がろうかな”と動作をはじめたらすぐに車体が反応するイメージだ。細身の17インチタイヤの効果も感じられる。それだけに市街地でも車体をキビキビと走らせることができるのだ。これはなかなか楽しいぞ!
前後サスペンションの動きもこのクラスでは標準レベルで不自由さは感じない。速度を上げると大きいギャップでショックを感じることもあるが、そもそもスポーツ走行向けのバイクじゃないから大して気にならない。スクランブラーとはいうが、ストリートで不自由なく使えるライディングポジションと操作性を持っているのだ。小粒ながらしっかりと存在感があるティクアトロ125スクランブラーは、普段の足から週末のちょっとしたツーリングまで幅広く使えるだろう。どこかなつかしい雰囲気を持つ最新イタリアンをぜひ一度、味わってもらいたい。
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- 問い合わせ先
- ピーシーアイ
- URL
- http://www.italmoto-motorcycles.jp/
※記事の内容はNo.207(2019年6月24日)発売当時のものになります