KYMCO エキサイティングS400

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
207
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

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※公開中の誌面内容はNo.207(2019年6月24日)発売当時のものになります

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キムコ エキサイティングS400 試乗会

 

2017年のEICMA(ミラノショー)にて、ヌードーナビゲーションとともに発表された新型XCITING S400(エキサイティングS400)。その後音沙汰が途絶えていただけに、その動向が気になっていた人も多いと思うけれど、台湾にてオセアニア圏のメディアを集めた試乗会が開催された。

特別協力:オージーケーカブト、クシタニ、ゴールドウイン

しっかりと遊べるマキシスクーター

XCITING S400のスタイリング

キムコ エキサイティングS400 7:3イメージ

サーキット走行とツーリングで実走チェック

台湾メーカーの中では頭一つ抜きに出ていて、最近日本でもメキメキと力をつけてきているイメージの強いキムコ。昨年は独自のバッテリープラットフォーム“ionex(アイオネックス)”を搭載した電動スクーターを発表。すでに台湾では普及しており、空港内に展示するなど、認知度も上がっているようだ。そして、今年の東京モーターサイクルショーでは電動スーパースポーツSUPERNEXを展示したのは記憶に新しいだろう。完成まではまだ時間がかかるだろうが、現状のスーパースポーツと遜色ないモデルに仕上がりそうで非常に楽しみだ。

 

そんなキムコが、2017年にEICMAで発表したエキサイティングS400。2005年に産声をあげたエキサイティングシリーズの最新型がついに台湾内での販売が決定。最新機能を搭載したスポーツコミューターに仕上がり、街乗りからツーリングまで楽しめるモデルとなっている。しかし残念ながら日本国内での導入時期や価格などは未定とのこと。日本からの要望が強ければ導入も決まるのではという希望を持ちつつ、今回台湾のサーキットでスポーツライディング、そして富士山にも匹敵する3000m級の山へのツーリングという異なるシーンでその走りをチェックしてきた。

 

具体的に比較対象になる車両は前モデルとなるエキサイティング400iと日本未発売モデルのヤマハ・XMAX400。後発とあって、ハンドリングの機敏性やトルクなどはクラス最高レベルといえる。日本でのライバルはスズキ・バーグマン400やBMW・C400シリーズになってくるわけだが、それらに比べるとコンパクトな車体は日本の道路事情にもよりマッチするように感じられた。ただし、逆にスポーツライディングもできるポジションのため、少し大柄なライダーには長時間のライディングで窮屈に思うことがあるかもしれない。ゆったりとクルージングを楽しむというよりも、キビキビとした走りの方が向いているように思えた。

 

まずは台湾に新設された国際基準をクリアしたLihpao Racing Park(麗寶國際賽車場)にてサーキット走行で、実際にスポーティなライディングを楽しめるのかをチェック。路面は部分的にウェット。スタートからしっかりと感じられるトルク感は400㏄クラス以上の体感だ。コンパクトな車体でのコーナリングも◎。そしてコーナーを抜けた直後の加速性能は一つ上のクラスと同等レベルだと感じた。さすがに高速域までの伸びはそこまでではなくサーキットでは物足りなく感じられるが、公道走行を考えるとほどよい力強さではないだろうか。このサーキットの特徴は後半部のタイトな連続コーナーなのだが、あまり速度を落としすぎずに曲がり切れる軽快さと、アクセルのレスポンスが心地よく感じられた。ガンガンに攻められるマシンではないのだが、前モデルのクルージング性能をキープしつつ、スポーツ性能を向上させている点がサーキットでも楽しめた要因だろう。

 

 

そしてところ変わって次は台湾全土で車やバイクで行ける最高地点でもあるWuling(武嶺)までのツーリング。海抜3275mという高い山で、富士山でいう8.5合目というとわかりやすいかもしれない。そこまでツーリングをするわけなのだが、3台前のバイクが見えなくなるほどのあいにくの濃霧。ワインディングは40㎞/h規制もあり、ゆったりとしたツーリングとなった。残念ながら期待していた絶景は望めず、つねに夢の中にいるようなモヤがかかった行程で、約6時間ほどのツーリング。落ち着いた速度やスクリーンを上まであげていたこともあり、とくに疲れることもなく走り終えることができた。やはりクルージング性も損なうことなく、全体的にグレードアップされた感じだ。

 

キムコ エキサイティングS400 試乗会 集合写真

 

そして昨年の電動スクーターに合わせて開発され、日本でも使用可能となったヌードーナビゲーションも搭載。手持ちのスマートフォンのアプリと接続し、ナビを使用することが可能になっている。日本語表記にも対応していて簡単に同期でき、電波がある限りは問題なく機能してくれた。今回は山の中を走ったこともあり、途中電波が途切れることもあったので街中に比べそのあたりは注意が必要かもしれない。バックイラストやフォントの変更なども楽しめるので、自分のバイクにより愛着がわくシステムだ。このモデルが日本国内でも販売されることを楽しみに待っていよう。

 

キムコ エキサイティングS400 タンデム走行
イメージにも使用されているタンデムライド。両側につかみやすいグラブバーと安定感のあるシートで非常に楽だけど、段差があるぶん少し窮屈に感じる人も?

次ページ:XCITING S400のディテールを紹介!

CONTACT

問い合わせ先
キムコジャパンお客様相談室
電話番号
0120-046-165
URL
http://www.kymcojp.com/

※記事の内容はNo.207(2019年6月24日)発売当時のものになります

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