鷹は舞い降りた! より軽快なハンドリングを持つ空冷4発
CBが持つ優雅さとスポーツテイストが融合
空冷直列4気筒エンジンを搭載したスポーツモデル・CB1100が大幅にリニューアルされた。水冷4気筒エンジンを搭載するCB1300SFとは異なるテイストを持ち、独自の進化を重ねてきたCB1100シリーズが今回のモデルチェンジで目指したのは“質感と走り&サウンドをさらに高め、CBの世界観を広げる”こと。そのコンセプトに沿って新たに投入されたCB1100RSは、今までのCB1100シリーズになかったスポーツテイストがガッツリと盛り込まれたモデルである。特徴は前後17インチアルミキャストホイール&ラジアルタイヤ。それと新機構のデュアルベンディングバルブを採用した大径フロントフォークや専用リヤサスペンション、高剛性アルミスイングアーム、キャスター角を立てたスポーツ志向のディメンションなどによって、乗り心地と運動性が高められている。
今までのCB1100シリーズとはまったく乗り味が異なることは、新設計のマフラーから吐き出される重低音に押し出されるように走り出した瞬間に感じ取れた。前後タイヤの接地感がハッキリと伝わってきて安心度が高いのである。また低中速域で流していると左右のマフラーから意図的にバラついて吐き出されるサウンドがステレオで響いてくるので、それだけで酔いしれる。その速度域でのハンドリングは、小径ホイールを装備しているにも関わらず適度な粘り感がある落ち着いたもの。しかしその印象もペースを上げていくと変わる。従来のモデル以上にライダーのアクションに対する車体の反応が速いのだ。ディメンションの変更に加え、軽量化やマスの集中化なども影響しているのだろう。といってもスーパースポーツのようにクイックすぎる感じはしない。峠道でも十分にコントロール下に置いておける反応速度なので、走りを満喫できるのだ。
ラジアルマウントキャリパーと大径フローティングディスクローターが生み出す制動力は、強力なうえに扱いやすさも持ち合わせている。また前後サスペンションの動きも秀逸で、どの速度域でも挙動をつかみやすい。トータルバランスが高く“ストリートで重量級のバイクを自在に操る充実感を得られる仕様”であると感じられた。
開発者がねらったのは空冷4気筒エンジンのポテンシャルをより引き出したくなる乗り味。急降下する鷹をイメージしたそうだが、単にスピードだけを求めていないことはRS(ロードセーリング)というネーミングからも伝わってくる。その目標を見事に具現化したRSは、空冷CBシリーズの歴史に新たな1ページを刻む存在である。
さらなる官能的なサウンドの追求
新生CB1100シリーズに採用されている左右2本出しマフラーは、大幅な変更を受けたパーツの1つ。騒音規制が変更されたことに対応して外径がスリム化し、全長が短くなると同時に内部が従来の3室構造から2室構造になったのだ。その結果、従来よりもリッターバイクらしい重低音が明確に響くようになったのは嬉しい。またサイレンサーが70㎜短くなったのでライダーの耳に届く音量も大きくなり、左右でバラつきを持たせている排気音がよりハッキリと聞こえるようになった。
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※記事の内容はNo.178(2017年1月24日)発売当時のものになります