INDIAN MOTORCYCLE FTR1200S

連載新車体感 ニューモデルインプレッション

No.
213
連載新車体感 ニューモデルインプレッション

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※公開中の誌面内容はNo.213(2019年12月24日)発売当時のものになります

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インディアンモーターサイクル FTR1200S コーナーリング走行

話題を集めているインディアンの意欲作、フラットトラックレーサーゆずりのFTR1200Sが日本でも乗れるようになったので、さっそく走らせ体感してきた。

文:濱矢文夫/写真:南 孝幸・編集部

スタイルの魅力とスポーティーな走りの融合

インディアンモーターサイクル FTR1200Sのスタイリング

 

街中での注目度はバツグンだ

クルーザーではないインディアン、FTR1200Sは日本のストリートでどんな走りをみせるのか。混雑した街中信号待ちで、周りからの注目度の高さを感じた。決して自意識過剰ではなく、“オッ”という顔をした人がこちらを見る。能書きは置いといて賛同を得やすいスタイル。高速道路のパーキングでは声をかけられた。

 

インディアンモーターサイクルの歴史は深いけれど、復活してからの歴史は浅い。それながら各部のタッチ、操作感、仕上げなどに粗野なところがなく工業製品としてしっかり作り込まれている。これは、ずっとスノーモービルやATVなど乗り物を作り続けてきた、親会社のポラリスインダストリーズ社のノウハウがあるからだろう。

 

水冷V型ツインエンジンはスロットルを開ければグングン速度を上げて加速してゆく。5000回転を超えてからパワーが強まっていき、7000回転を超えていくともう1段高まる。その一方、低回転域でもギクシャクするような扱いにくさはなく従順だ。3つのライディングモードがあり、一番レスポンシブルなスポーツにしていてもこのパワーを持て余さない。パーシャルからスロットルを開け始めてトルクが出るまでに一拍置くような間があり、ドンと前に押し出すまでの特性をなだらかにつなげているのは巧みだ。制御しやすい大トルクになっている。意識しなければ気が付かないかもしれない。3つのモードでその一拍の長さが違う。スポーツライド命の人だと必要ないと思うかもしれないが、ストリートで、より多くの人が安全に走れることを考えるとこの味付けに賛同する。

 

ハンドリングは大きなクセもなくたおやか。神経質なところがなく気兼ねなくリーンしてコーナーリングできる。タイトなコーナーだって安定して思うように曲がれた。ブレーキの効きとタッチも申し分ない。ただ、もっと突き詰めて速く走ろうと思うと気になるところがある。その一つがタイヤ。縦のグリップはまずまずで、エンジンの特性やトラクションコントロールも味方するけれど、さらに攻め込むと横方向のグリップがそれほど強くなく、深く寝かせると腰砕けのように横滑りする。各モードで入れられるトラックモードにすると、よりフラット感が出て低回転域のトルクが強まり、レスポンシブルで別の楽しさ。でも、そこでいい気になって不用意に飛ばしているとしっぺ返しにあいそう。

 

だから“スポーツモデル”というより、難しいところがなく、スタイリッシュでパワフルな“スポーティーモデル”という表現がしっくりくる。

インディアンモーターサイクル FTR1200S 走行

 

インディアンモーターサイクル FTR1200Sのディテール

 

インディアンモーターサイクル FTR1200Sの足つき&乗車ポジション

インディアンモーターサイクル FTR1200S 足つき&乗車ポジション
身長170㎝/体重68㎏
840㎜というシート高は、この身長にとって低いとは言い難いが、シート前方とボディがスリムなので力を入れて支えられる範囲で両足が届いた。ハンドルは広めで、やや前傾姿勢。ステップはしっかり踏み込める位置

 

インディアンモーターサイクル FTR1200Sのスペック※[ ]内はレースレプリカ

全長×全幅×全高
2,287×850×1,297㎜
軸間距離
1,524㎜
シート高
805/840㎜
車両重量
231㎏
エンジン型式・排気量
水冷4ストローク DOHC 4バルブ V型2気筒・1,203㎤
最高出力
89.5kW(121.7㎰)/8,250rpm
最大トルク
120N・m (11.8kgf・m)/6,000rpm
燃料タンク容量
13ℓ
タイヤサイズ
F=120/70-19・R=150/70-18
価格
209万9,000[236万4,000]円
カラーバリエーション
チタニウムメタリックオーバーサンダーブラックパール・インディアンモーターサイクルレッドオーバースチールグレー・レースレプリカ

インディアンモーターサイクル FTR1200S 製品ページ

CONTACT

問い合わせ先
ポラリス ジャパン
URL
https://www.indianmotorcycle.co.jp

※記事の内容はNo.213(2019年12月24日)発売当時のものになります

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