台湾メーカーSYM(エス・ワイ・エム)が日本国内復活! そのファーストモデルがこのスポーティなスタイルのオービット3で、この後にも続々登場予定。まずは125モデルの実力を徹底的にチェック。
シンプルな装備を価格に反映
SYM オービットⅢ 125のスタイリング
価格を重要視する人に魅力的なパッケージ
近年、原付二種のスクーターはそのスタイルが多様化している。ホンダ・PCXのように少し大柄な車体でラグジュアリーな雰囲気を持たせたモノもあれば、ヤマハ・BW’S125のようにオフロードテイストを前面に押し出したモノ、キムコ・ターセリーS125のような街中で映える16インチホイールを採用したハイホイールモデルといった具合だ。そのなかで昔からあるカテゴリーがオービットⅢのようなスポーティなスタイリングのモノである。
スポーティなのはスタイリングにとどまらず、各社走りもスポーティな方向に振ったモデルが多く、パフォーマンスを追求したことで、価格も30万円前後と高めのモデルが多い。そんななか、22万5500円という低価格でデビューしたのがオービットⅢなのだ。原付二種クラス全体で見ても低価格帯に入るゆえ、誰もが気になるのがその走行性能だろう。
まずはエンジン。今回試乗した車両は、スロットルに適度な遊びが設けられており、そのおかげでアクセルワークにナーバスになる必要がない。けっこうラフにスロットルを開け閉めしても、エンジンがちょっと遅れて反応してくれるので気ラクに扱えるのだ。パワー自体は、原付二種として十分なレベル。交通の流れが速い都内の幹線道路でも、その流れをリードして走り回ることができる。スムーズな加速で速度が上がっていき、気が付けば制限速度に達していた。
アクセルワークとともに速度をコントロールするブレーキは普通に走るぶんには、必要十分な制動力を有している。前後連動となっているので、ハードなブレーキング時も車体の姿勢が安定していることが安心感へとつながる。フロントブレーキのタッチが、ストローク量がないわりにはカチッとしていない不思議な感覚だったのだが、レバーからマスターシリンダーまでがワイヤー引きになっているからだと納得。このタッチは好き嫌いが分かれるところだろうけれど、効き具合はわかりやすい。
シャーシはけっこう剛性が高い印象だ。サスペンションだけが硬い味付けなのか、はたまたフレームの剛性が高いのかまでは判別できなかったけれど、その高い剛性のおかげでハンドリングはクイックといえる。さらに付け加えると、剛性が高いとはいっても減速帯など路面の凹凸で跳ねてしまってライディングに支障が出るなんてことはなかった。
スクーターの必須要素ともいえる使い勝手のよさに関しては、シート下トランクは最近の後頭部が尖り気味のフルフェイスヘルメット+レインスーツが入る大きさが確保されているし、USBの充電口もある。給油口もハンドル左下にあって、車体から降りることなく給油することが可能だ。またパイプで構成されたグラブバーは荷かけフックなどがかけやすく、旅バイクとしての可能性も感じられた。
もちろん価格が価格だけにシートのヒンジ部にシートが開いたままにたもつスプリングがないとか、メーターに時計がないなど、細かなところに目をやれば、気になるところも出てくるが、コストパフォーマンスはかなり高いといえる。好調な原付二種シーンをさらに盛り上げてくれる車両であることは間違いない。
同じ車体に50㏄のエンジンを積んだオービットⅢ 50も同時発売され、価格は16万5,000円となる。
SYM オービットⅢ 125のディテール
SYM オービットⅢ 125の足つき&乗車ポジション
SYM オービットⅢ 125のスペック※[ ]内はイエロー×グレー
- 全長×全幅×全高
- 1,915×680×1,125(㎜)
- 軸間距離
- 1,290㎜
- シート高
- ─
- 車両重量
- 120㎏
- エンジン型式・排気量
- 空冷4ストローク 2バルブ 単気筒・124.6㎤
- 最高出力
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- 最大トルク
- ─
- 燃料タンク容量
- 5.7ℓ
- 燃費
- ─
- タイヤサイズ
- 110/70-12(F)・110/70-12(R)
- 価格
- 22万5,500円[23万6,500円](消費税10%込)
- カラーバリーエーション
- マットブラック・ホワイト・レッド・ブルー・イエロー×グレー
CONTACT
- 問い合わせ先
- モーターリスト
- 電話番号
- 03-3731-2388
- URL
- http://www.sym-jp.com
※記事の内容はNo.214(2020年1月24日)発売当時のものになります