特集401〜850ccクラスの 魅力を徹底検証!
人気モデルインプレッション
215
※公開中の誌面内容はNo.215(2020年2月22日)発売当時のものになります
インプレッションの誌面を開くバイクらしいスタイリングと走りを心ゆくまで満喫できる
造形が美しい空冷並列2気筒エンジンをダブルクレードルフレームに搭載したW800 STREET。レトロテイストなスタイリングのなかに現代の技術を詰め込んだマシンの人気に迫る!
写真:関野 温/文:横田和彦
W800 STREETのスタイリング
王道のスタイルに似合う味のあるフィーリング
丸型のヘッドライトにアップハンドル、ティアドロップ型のガソリンタンクなど、バイクらしいスタイリングが魅力のW800ストリート。99年に発表されたW650がルーツとなる大型ネイキッドモデルは、08年に排ガス規制の影響を受け生産が終わった。しかし10年に排気量を増やし、インジェクションを装備するなどしてW800として復活。ところが16年にファイナルエディションが発売され再び生産は終了した。大人も満足できるスタイルと乗り味を持つレトロ・ネイキッドの歴史はそこで終わるかと思われた。ところが昨年、基本レイアウトはそのままに新設計のフレームやサスペンション、ブレーキシステムなどを備えて復活。Wシリーズの新たな歴史が始まったのだ。それだけ復活を望む声が多く、またカワサキとしてもラインナップすることに意義があるバイクなのである。
肉厚でクッション性が高いシートにまたがると、丸型の2連メーターと手前に伸びたアップハンドル、ボリューミーなガソリンタンクが目に入る。“なんだか落ち着くなぁ”。それが第一印象だ。奇をてらったところがないオーソドックスな車体構成はベテラン勢には懐かしく、若いライダーには新鮮に映るはず。
セルボタンを押すと並列2気筒エンジンは即座に目覚める。排気音はやさしくジェントル。軽くアクセルを開けると、わずかに後を追いかけるように吹け上がってくる。ライダーを急かさないフィーリングは好ましく、ドコドコ感が伝わってくるのも心地よい。
発進しようとクラッチレバーをにぎると、とても軽いことに驚く。じつはアシスト&スリッパークラッチが装備されているのだ。ほかにもLEDヘッドライトやリヤディスクブレーキ、ETCなど、現代の技術が各所に織り込まれている。単にレトロなだけじゃないのが新生Wシリーズのポイント。
エンジンは低中回転域でなめらかな出力特性。その回転域でのトルクが豊かなので、歯切れよい排気音を楽しみながら市街地を心地よくクルージングできる。トルクが太いので、ギヤを頻繁に変えなくてもスピードの調整ができるのも余裕の走りにつながる。
意外なのはハンドリングだ。大径の18インチホイールと細いタイヤ、重心の低さなどの組み合わせにより想像以上に軽快な動きを見せるのだ。ライダーの意思を的確に反映し、深くバンクさせなくてもスイッとコンパクトに曲がっていく。そのためワインディングでもそれほどペースを上げなくても楽しめる。ルックスだけじゃなくハンドリングもレトロスポーツなのだ。
W800ストリートは、アクセルを大きく開けなくても全身で風を受けながら走らせることを楽しめる数少ないバイクの一つ。充実したバイクライフを送ることができる頼もしい“相棒”になる存在だといえよう。
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※記事の内容はNo.215(2020年2月22日)発売当時のものになります